2008年の関西大学ラグビーリーグの日程と試合結果

関西大学Aリーグ日程
10月5日 立命大−摂南大(鶴12・15) 大体大−近 大(鶴14・00)
 京産大−天理大(II12・15 ) 同 大−関学大(II14・00)
  18日 関学大−京産大(II12・15) 天理大−同 大(II14・00)
  19日 近 大−立命大(鶴12・15) 摂南大−大体大(鶴14・00)
  25日 立命大−天理大(宝12・15) 京産大−摂南大(宝14・00)
  26日 大体大−関学大(II12・15) 同 大−近 大(II14・00)
11月2日 天理大−大体大(花12・15) 近 大−京産大(花14・00)
 関学大−立命大(宝12・15) 摂南大−同 大(宝14・00)
   9日 天理大−近 大(長12・15) 関学大−摂南大(長14・00)
 京産大−大体大(宝12・15) 同 大−立命大(宝14・00)
  16日 摂南大−天理大(長12・15) 近 大−関学大(長14・00)
  23日 立命大−京産大(宝12・15) 大体大−同 大(宝14・00)
  30日 関学大−天理大(II12・15) 大体大−立命大(II14・00)
 近 大−摂南大(鶴14・00) 
12月6日 同 大−京産大(宝14・00)
【注】( )は会場、開始時間。会場は花=花園第1、II=花園第2、宝=宝が池、長=長居第2、鶴=鶴見緑地

V争い 立命大軸 5日開幕 同大、京産大に不安も

 2008年10月5日、花園などで開幕する。連覇を狙う同大や昨季2位の京産大は不安を抱えての開幕となり、攻守にまとまる同4位の立命大が優勝争いの軸になる。同5位の関学大や7年ぶりにAリーグ復帰した摂南大も充実し、昨年の順位が参考にならない波乱含みの展開になりそうだ。

 主力に故障者が出て春から不振に悩む同大。WTB大久保らバックスの決定力で優位に立つだけに、FWの仕上がりが鍵を握る。密集戦や接点でFWが激しさを取り戻し、バックスの潜在能力を引き出す試合運びができるようになれば、戦力はぐんと上昇する。

 立命大は春から元気がいい。同大との練習試合は2戦2勝。際立った選手はいないが、15人でボールを大きく動かすテンポ良いラグビーを見せる。上位進出に向けては摂南大との開幕戦がポイント。試合ごとに力を伸ばしていけば7年ぶりの関西制覇が見えてくる。

 全国8強入りした昨季から大幅にメンバーが入れ替わった京産大は厳しいシーズンになりそう。練習試合は黒星続きで、看板の強力スクラムも未完成。力強さを取り戻しつつあるFWと、新しく導入した組織防御がどこまで機能するか。昨季3位の大体大も地力は高いが得点力不足に課題を残す。昨季のトライ王・WTB壇辻を生かす展開に持ち込みたい。

 台風の目になりそうなのが7年ぶりに復帰した摂南大だ。トンガ人留学生2人の個人技がずば抜けるだけでなく、留学生に頼らないチームプレーも磨いてきた。同5位の関学大はFW強化に自信を深め、毎年定評あるバックスと連係できれば上位に食い込みそう。

 同6位の天理大は新たにトンガ人留学生も加わった。同7位の近大は、昨季の主力8人が残り浮上を目指す。


出遅れ 立て直しなるか 同大 機動力 戦術の柱

機動力をテーマに掲げ、激しくぶつかりながらボールをつなぐ同大(京田辺市の同大グラウンド)

 昨季は2年ぶりの関西制覇を果たした同大。今春から元神戸製鋼の綾城高志ヘッドコーチを迎えて指導体制を充実させたが、主力選手の故障などが響いて出遅れ、練習試合の結果には結びついていないのが現状だ。中尾晃監督は「一戦一戦やっていくしかない。11月にピークを迎えられれば」とじっくり構える。

 今季は機動力を戦術の柱に据える。春は選手特性の見極めから始め、7月からは例年にない量を走り込んできた。太田主将は「地味だが、成果は試合に出てきている」と手応えを話す。しかし太田をはじめFW、バックスともに主力がけがで離脱を繰り返し、メンバーを固定できない苦しいチームづくりが続いている。

 北海道北見市の夏合宿では今春に続いて立命大に敗れ、今月の東京遠征では帝京大に7−80と大敗。特に帝京大戦は序盤に失点したまま流れを引き戻せないもろさが出た。中尾監督は「個々の強さでほころびが出た。立て続けに2本取られてのまれた」と話し、今はもう一度、接点での激しさや各プレーの精度アップを追求している。

 今季も得点源は、副将のFB宮本らバックスとなりそう。スピードのある2年の大久保、間合いで相手をかわすルーキー正海と、両WTBに逸材がそろい決定力は期待できる。昨年より軽くなったFWが8人のまとまりや当たりの低さなどで勝負し、バックスを自在に走らす形が確立できれば得点力は上昇しそうだ。

 全国大学選手権で2年連続して初戦敗退が続いている「関西の雄」。勝負のシーズンをにらみ、中尾監督は「リーグを戦いながら、力を上げていくタフさが必要」と力を込めた。

■一戦一戦大切に

 太田春樹主将「まだ試合で結果が出ていない分、急成長ができずもがいている状態。勝つことで変わると思う。一戦一戦大切に戦い、必ず国立へ行きたい」

予想メンバー
 出身校 学年 身長 体重
FW 菅原 崇聖(函館ラサール) (3) 173 100
 太田 春樹(天  理) (4) 175 98
 星野 真吾(日  川) (3) 180 102
 前田 俊介(同志社国際) (3) 181 93
 沢田 陵太(同志社) (4) 185 98
 浦田 太陽(大工大高) (3) 180 92
 村上 丈祐(仙台育英) (3) 182 95
 四至本侑城(大阪桐蔭) (2) 186 97
HB 東郷 幹也(同志社) (3) 170 67
 森田 洋介(同志社) (2) 176 80
TB 正海 智大(東福岡) (1) 186 78
 石川 貴浩(清真学園) (4) 170 77
 釜池 真道(啓光学園) (4) 174 83
 大久保教全(深  谷) (2) 172 70
FB 宮本 啓希(天  理) (4) 174 84


主力抜けゼロから出発 京産大 実戦経て課題修正

看板のスクラム強化に余念がない京産大(京都市北区の京産大神山球技場)

 昨季2位の京産大は「危機感」を今季のキーワードに挙げる。主力がごっそりと抜け、まさにゼロからの出発。組織防御や練習方法に思い切った変化を取り入れたが、ここまでの練習試合はほぼ全敗だ。少しずつ手応えを感じているものの、大西健監督は「春から、ここまで勝てなかったのは初めて。本当の意味での挑戦」と話す。

 昨季メンバーから残ったのは橋本大主将と今村の2人だけで、初陣となった4月の大体大戦は0−53と屈辱の大敗。スクラムやタックルの基本を徹底し、地道に個々の底上げを図ってきた。

 7月からは課題だった防御に新しい戦術を採用。素早く前に出て圧力をかけつつ、穴をつくらないよう各自がゾーンを守る。個々の役割を明確にすることで理解も深まり、夏合宿では関東勢相手に健闘。橋本大主将は「実戦で課題を修正でき、形になってきた」と自信をのぞかせる。

 今夏からは大西監督が就任36年目で初めてチームをA、Bに分割して練習を行った。「全員で同じ練習をすることにこだわってきたが、今年は追いつかない。強引に上を作って引き上げないと」。指導者の危機感が選手にも伝わり、競争意識から練習も活性化した。

 攻撃の鍵はやはり看板のFW。個々が成長し、第一列を固定化したスクラムも戦えるレベルにまで整ってきた。セットプレーはもちろん、キックを有効に使ってFW戦を圧倒し、ボール奪取からの得点を狙う。

 かつてないほどの危機感をバネにして脱皮できるか。大西監督は「弱さを認識して強くなるのが京産大らしさ。今年は真骨頂を見せたい」とまずは初戦に狙いを絞る。

■負けが力になる

 橋本大輝主将「(昨季と)ギャップがあり、危機感を持って練習してきた。勝てていないのが引っかかるが、今までの負けが力になっている。伸びしろはあり、このまま成長すれば負けないチームになる」

予想メンバー
 出身校 学年 身長 体重
FW 水木 建人(洛  水) (4) 180 90
 中村  宰(近大付) (4) 169 87
 橋本 竜一(八幡工) (2) 175 115
 中井 太喜(啓光学園) (2) 182 88
 佐藤 哲也(春日丘) (2) 188 96
 金森 友亮(朝  明) (3) 177 83
 橋本 大輝(九国大高) (4) 185 93
 鄭  貴弘(大阪朝鮮) (4) 185 97
HB 鈴江 洋祐(北  越) (4) 163 67
 森田  諒(天  理) (2) 176 80
 小幡 哲也(春日丘) (3) 178 87
TB 今村 六十(木  本) (4) 173 77
 井本 彬宏(京都成章) (3) 178 71
 実吉  譲(鹿児島玉龍) (4) 172 70
FB 岩田  光(大工大高) (4) 168 75


筋力アップで自信深める 立命大 多彩な攻めに強さ

たくましさを増した体でコンタクト練習を繰り返す立命大(草津市の立命大グリーンフィールド)

 昨季4位の立命大は従来のテーマ「ランニング・アンド・アタッキング」に、今年は「ハイスピード」を加えた。吉田義信監督は「サイズがない分、スピードで戦う」。他チームから警戒されるほど春から好調を維持し、球を争奪するブレークダウンからテンポ良く攻めるスタイルで初の全国4強を目指す。

 昨年12月の全国大学選手権1回戦で法大FWに圧倒された反省から、新チームは筋力アップを主眼に動き出した。岩井ヘッドコーチは「技術うんぬんではなく体をつくることが、関東の大学に勝つための最低ラインだと思った」と話す。

 今年1月から重点的に筋力トレーニングを行い吉田監督も「FWは一回り以上大きくなった」と目を細める。その後も継続的に筋力アップに取り組み、中林FWコーチも「昨年より今年の方が明らかに上」と言い切る。

 自信を深めたのが同大との8月の練習試合。FWが重圧をかけて主導権を握り、思うようにボールを動かせた。春に続いて40−17で連勝し、フッカー和田は「昨年までは関西のチームにも押されることが多かったが、フィジカル面で差が無くなった」と手応えを話す。

 力強さを増したFWに加え、バックスは徳丸と島の大型CTBコンビがリードする。パワフルな縦突進で相手FWを引き寄せ、吉田監督は「2人の突進でポイントをつくれる。多彩な攻めが今年の武器」と話す。

 順調な仕上がりを見せるものの、自分たちの長所を引き出す試合運びに課題が残る。岩井コーチは「FWとバックスの良さをハーフ団がいかに引き出せるか」。めりはりの利いた攻めができれば、7年ぶりの優勝が見えてくる。

■国立に必ず立ちたい

 和田智至主将 「スター選手はいないが、全員ひたむきなプレーを心掛け、チームの雰囲気が良い。リーグで成長しながら関西優勝と国立の舞台に必ず立ちたい」

予想メンバー
 出身校 学年 身長 体重
FW 佐藤  憲(荒  尾) (3) 172 95
 和田 智至(立命館宇治) (4) 170 93
 熊坂  裕(正智深谷) (4) 176 117
 辻本 雄起(滝  川) (3) 190 99
 家長 秀典(尼崎北) (4) 185 90
 大村陽一朗(報徳学園) (3) 182 82
 山田 直輝(立命館宇治) (2) 174 89
 佐藤 洋平(立命館宇治) (4) 181 92
HB 池町 信哉(報徳学園) (2) 169 75
 大嶌  圭(東福岡) (3) 174 82
TB 佐藤 吉彦(大分舞鶴) (3) 172 68
 徳丸 孝太(大工大高) (4) 180 85
 島  拓也(東福岡) (4) 183 94
 森本 将太(洛  北) (4) 181 90
FB 尾松 大輔(大分舞鶴) (2) 175 82


10月 5日 天理大 27―8 京都産大 関学大 19―15 同志社大
 立命館大 21―19 摂南大 大体大 35―3 近畿大

■若い布陣 もろさ露呈

同大―関学大 前半30分、相手タックルを引きずって攻め上がる同大CTB小林(花園)

 攻勢の局面でトライを取り切れず、受けると簡単にトライを与えてしまう。同大のゲーム運びのもろさが露呈し、中尾監督は「接戦になるとは思っていたが…。きついですね」。49年ぶりの同大戦勝利に沸く関学大とは対照的に、悩める「関西の雄」は2年続けての黒星スタートとなった。

 前半は同大FWがしっかり体を当てて前に出る攻撃で、14、22分に連続トライするなど15−7で折り返した。だが、後半は長く攻め続けてもトライできず、相手がシンビンで1人を欠いた時間帯も無得点。逆に同大のミスが関学大の勢いに火を付け、後半20分すぎから猛反撃を受けた。

 故障者が多く、先発に1、2年6人が並ぶ若い同大。試合の潮目が動き始めた要所で運動量が落ち、FB宮本は「経験のない選手も多い。みんな(動かずに)球を見てしまった」。危機を察知したり、先を読むプレーの鋭さは、ずっと同大が強みとしてきた部分だ。中尾監督は「力が落ちている。試合をつくる基本的な部分から始めないと」と厳しい表情で話した。

 「春から80分集中した試合ができなかったが、(それが原因で)初戦に負けてしまうとは」と太田主将。同大は今季もいばらの道を歩き始めた。

■ミス多発、波乗れず

 ○…仕上がりに不安を抱えていた京産大は昨季6位の天理大に黒星。スクラムを押し込みながらも巧みに球に絡まれるなど、ミスを多発して波に乗れなかった。大西監督は「完敗です。思った以上にバックスの力量差があった。天理大の選手一人一人に強さを感じた」と力なく振り返った。

 序盤は機能していた組織防御も、天理大のトンガ人留学生にマークが集中してしまいバランスを崩した。思い切って展開攻撃を仕掛ける相手バックスに4トライを浴び、橋本大主将は「防御からもう一度、取り組まないと。京産大ラグビーの原点に戻って考えてみたい」と力を込めた。


10月18日 関学大 66―0 京都産大  同志社大 28―3 天理大

■スクラム不安定 下位転落岐路に 京産大

 開幕戦で天理大に20年ぶりの黒星を喫した京産大は、関学大にも31年ぶりに敗れ、2連敗。大西監督は「きつい。(春からの不振を)開幕2試合で立て直すつもりだったのだが…」と声を落とした。

 FW戦で優位に立てないまま走力のある関学大バックスに先制トライされると、自陣ゴール前では相手FWに自信を持ってスクラムを選択された。「接点」での圧力が弱まると外へ外へとボールを散らされ、7人制日本代表のWTB長野らに計10トライを浴びた。

 数少ない武器であるスクラムが不安定で、試合運びに京産大らしい集中力がない。浮上のきっかけをつかめないチームに、大西監督も「粘る場面もない。何とかしないと」と苦渋の表情を見せる。下位転落の岐路に立たされた。

■80分間プレー集中

 一直線にスクラムを押し込んだ同大が今季初勝利。FWとバックスの連係が機能して天理大を1PGだけのノートライに抑え、太田主将は「今季初めて80分間集中してプレーできた。これからの自信になった」と表情を崩した。

 開幕戦で関学大に逆転負けを喫し、防御とボール争奪時のプレーを徹底して見直した。キックを効果的に使って相手陣で試合を運び、中尾監督も「結果が出ていないだけに少し硬かった。スクラムを押せたのが大きかった」と笑顔だった。


10月19日 近畿大 17―15 立命館大  摂南大 40―3 大体大
25日 天理大 14―12 立命館大  京都産大 36―33 摂南大

■判断迷いミス連発 立命大

後半、立命大が相手ゴール前に迫るが、天理大のタックルに阻まれる(宝が池球技場)

 立命大はスクラムで圧倒しながら、パスミスを連発して自滅、テンポの良い攻撃ができなかった。ナンバー8家長は「やっていて負ける気がしなかったのに。ミスが多く出て最後まで歯車がかみ合わないままだった」と疲れた様子で話した。

 先制トライこそ奪ったが、粘り強い天理大の防御を崩しきれない。FWの強みを生かして何度も相手ゴールに迫ったが、ノックオン、スローフォワードを繰り返し好機をつぶした。副主将のCTB徳丸は「バックスの考えがまとまりきれていない」。サポートに行くべきかなど判断の迷いが、ポジショニングやパスのミスにつながった。

 先週の近大に続き天理大にも2点差で競り負け、吉田監督は「優勝候補といわれるプレッシャーで縮んでしまったのか。一歩でも前へ、の基本に戻らなければいけない」と厳しい表情。SO大嶌は「後がない。次の関学には挑戦者としてぶつかっていく」と、次節での雪辱を誓った。

■劇的逆転を喜ぶ

 京産大の今季初勝利は、1年生FB猿渡の劇的な逆転トライで生まれた。2点を追う後半ロスタイム、パスを受けると約20メートルを駆け抜けてトライ。「初勝利の試合でトライできてうれしい」と笑みをこぼした。

 スクラムで圧倒した京産大に、摂南大が激しいタックルで対抗。摂南大の2人がシンビン(一時退場)、うち1人が退場になる荒れた試合になったが、ナンバー8金森は「ラフプレーを気にするより、練習の成果を出そうと必死だった」。首に危険なタックルを受けたが、直後にトライを奪うなど、ひたむきなプレーで流れを引き寄せ、最後の逆転劇につなげた。

 開幕2連敗後、ようやく手にした勝利に、大西監督は「全国選手権で勝つよりうれしい。ようやく選手同士の信頼関係ができてきた」と、喜びをかみしめていた。


10月26日 関学大 33―17 大体大  同志社大 35―5 近畿大

■勝っても淡々 ミス多く課題 同大

同大−近大 後半38分、同大はモールを崩されながらもプロップ菅原(中央下)が倒れ込みながらトライし、26−5と突き放す(花園)

 同大FWとバックスの連係が滞り、イメージしている「速い展開からWTBがトライするラグビー」ができなかった。太田主将は「内容はボロボロ。雨を差し引いてもミスが多く、こだわったことができなかった」と笑顔なく淡々と話した。

 開始直後に先制トライを奪ったが、その後はパスミスなど雑なプレーが目立った。FW勝負で優位に立ち、後半は敵陣でつくったラックやモールから3連続トライを奪ったものの、バックスはパスが最後までつながり切らなかった。FB宮本は「バックス全体が球に集まってしまいポジショニングが悪い。取るべき時に取りきれなかった」と悔やんだ。

 浮き彫りになったチームの課題に、中尾監督は「反省ばかり。これだけミスをしていたら話にならない」と厳しい表情だった。


11月 2日 天理大 55―17 大体大  同志社大 47―31 摂南大 
 近畿大 18―17 京都産大  立命館大 22―21 関学大 

■FW陣素早い戻り 立命大

 ハイパントで陣地を狙う関学大に対し、立命大はFW陣の素早い戻りと激しいプレッシャーで主導権を与えなかった。吉田監督は「相手のキック攻撃は読んでいた。FWの地味な活躍が良かった」と笑顔を見せた。

 近大、天理大に連敗し、ロック家長は「連日のミーティングで、長所を再確認した」。混戦でのボール奪取、バックスの効果的な上がりなど、この日は本来の力を発揮し始めたという。

 5点差を付けた後半26分には、SO大嶌がドロップゴールを決め、勝利につなげた。大嶌は「点差を見て、思い切って狙った」。試合の流れを冷静に読み切ったプレーだった。

 残る相手は同大、大体大、京産大。

 フッカー和田主将は「ようやく先が見えてきた。優勝の目はまだある。全部勝ちたい」と巻き返しを誓った。

■3連勝にも終盤に課題 同大

 FB宮本のキックで陣地を奪い、FWの強さを生かしてトライを挙げた同大が3連勝した。ただ、前後半とも、残り15分を過ぎるとペースダウンし、中尾監督は「試合運びがぬるかった」と不満気に話した。

 後半途中まで主導権を握ったが、反則から反撃の好機を与え、同20分、31分に連続トライを奪われた。SO森田は「体力が落ちた時に集中力が切れ、反則が増えた。そこから流れを変えられた」と表情を曇らせた。ただ、試合終了間際に、ラックからの展開攻撃でトライを奪うなど、FW、バックスの連係は仕上がりつつある。3勝1敗で関学大に並び、太田主将は「同志社のプライドを持って頑張りたい」と、逆転優勝に向け力を込めた。

■京産大、1点に泣く

 先週は終了間際の逆転トライで劇的勝利を飾った京産大が、この日は近大に1点差の惜敗。前半は得意のスクラムトライを決めて近大FWを圧倒しながら、後半に逆転された。橋本大主将は「FWでプレッシャーをかけ続けられなかったのが敗因。気持ちを切り替えてチームをつくり直したい」と無念さを込める。大西監督も「本当に勝ちたかった試合。後半、ゲームメークできずに相手に息を吹き返させてしまった」と振り返った。


11月 9日 大体大 15―13 京都産大  立命館大 45―36 同志社大 
 関学大 82―5 摂南大  天理大 22―10 近畿大 

■強力スクラム難敵を破る

同大―立命大 後半15分、立命大がスクラムトライを決め、29―24と勝ち越す(宝が池)

 立命大FWの力強いスクラムが、同大の壁をこじ開けた。24−24で迎えた後半15分、同大ゴール前でのスクラムを一気に押し切り、ナンバー8佐藤洋が勝ち越しのトライ。フッカー和田主将は「最初のスクラムを組んだ瞬間から、いけると思った」。同大に再逆転されたが、優位に立ったFWが同28分、35分にラックから粘り強く縦を突いて連続トライを挙げ、勝利をもぎとった。

 ハイパントで敵陣深くに攻め込み、バックスの素早い寄せとタックルからリズムをつかんだ。「前に出てFWで勝負。そのプラン通り」と吉田監督。相手のWTB、FBに余裕を与えず、最大14点差あった点差を、連続攻撃で取り返した。

 優勝候補と呼ばれながら序盤で近大、天理大に連敗し失速。連日深夜までミーティングを行い、長所と短所を確認しあった。和田は「見失っていた自分たちのラグビーを取り戻した。今は、あの負けがあるから今があると思う」。関学大の連勝を止め、昨年優勝の同大を撃破。ようやく立命大に本来の力強さが戻ってきた。

■3度敗れショック

 昨季優勝の同大が2敗目を喫した。相手の立命大には春、夏の練習試合で敗れており、フッカー太田主将は「3度負けたのはショック。単純なミスと反則が足を引っ張り、淡泊にトライを取られてしまった」。  前半は4トライを挙げてリードしたが、中尾監督は「相手のコンタクトが強く、優位と思えなかった」と厳しい表情。激しいタックルを受けて思うように攻め込めず、FB宮本は「ここという所で取りきれず、(気持ちが)乗り切れなかった」と悔やんだ。

■選手権へ黄信号

 京産大は1点リードで迎えた後半ロスタイムに痛い反則をとられ、PGを決められて逆転負け。4敗目を喫し、23年続いた全国大学選手権出場に黄信号がともった。

 前半はリードしたが、後半22分に防御の穴を突かれてトライを奪われ、勢いに乗る相手の攻撃を防ごうとして、最後の反則につながった。大西監督は「選手はよくやったが、勝負は厳しく非情。残り2試合必死にやっていくしかない」と肩を落とした。

   16日 摂南大 26―20 天理大  関学大 38―14 近畿大 


11月23日 京都産大 22―17 立命館大  同志社大 26―23 大体大 
 関学大 82―5 摂南大  天理大 22―10 近畿大 

■京都産大逆転2勝目

立命大―京産大 後半26分京産大、森田拓(中央)が右すみにトライ。ゴールも決まり22―17と逆転する(宝が池)

 京産大は立命大の大型FWに苦しんだものの、バックス陣が躍動し、終盤の逆転劇で2勝目を挙げた。

 後半26分、ラインアウトを起点にパスを右サイドへ素早くつなぎ、最後はWTB森田拓が「負けていたので絶対に決めたい」と、インゴールに飛び込む逆転トライ。大西監督は「本当にうれしいです」と笑顔を見せた後「(大学)選手権に出たい、という強い思いが出た」と、かみしめるように言葉をつないだ。

 ここまでわずか1勝。負ければ選手権どころか最下位の可能性も強まる瀬戸際の一戦。校内合宿に入った先週火曜、OBで元日本代表の大畑(神戸製鋼)から届いた「絶対、大学選手権をあきらめないでほしい」というメッセージを大西監督が選手たちに伝えた。

 大先輩の言葉が選手の気持ちを奮い立たせた。FWが苦しんでいればハーフ団が巧みにつなぎ、バックス陣は前へ前へと突き進んだ。接点のプレー、タックルも気迫で上回った。15人でつかんだ勝利だった。

 24年連続の大学選手権出場には最終戦に勝つことが最低条件。主将のフランカー橋本大(4年、九州国際)は「みんな気持ちを切り替え、一丸となって同大に挑みたい」と気合を込めた。

■相手の気合いに負けた

 ○…立命大は強力FWを武器に前半、3トライを挙げ優位に試合を進めながら、京産大に競り負けた。吉田監督は「こちらも気を引き締めて臨んだが、相手の気合に負けた」と脱帽した。

 近大と天理大に連敗の後、チームを立て直して関学大と同大を撃破。力強さを取り戻していただけに痛い一敗となった。

 優勝の望みは消え、目標の大学選手出場を確実にするには、あと1勝が必要だ。フッカー和田主将(4年、立命館宇治)は「最終戦は死に物狂いの気持ちで挑みたい」と30日の大体大戦への決意を語った。

■一時逆転許すも冷静

 ○…同大は21−5で前半を折り返したが、後半は大体大の早い展開に苦しみ、29分に一時は逆転された。フッカーの太田主将(4年、天理)は「受けになってしまった。一人一人の意識がまだ足りない」と反省した。

 だが、この局面でも選手たちは冷静だった。再逆転のトライを奪ったFB宮本は「時間が十分あることをバックス陣で確認していた。焦りはなかった」と振り返った。

 30日の関学大−天理大戦の結果次第で、優勝の可能性は残るが、中尾監督は「優勝はまったく考えていない。(最終戦は)京産大も必死に来るだろうから、次へつながる試合をしたい」と、大学選手権を見据えた。

   30日 立命館大 12―11 大体大  摂南大 40―23 近畿大 
 関学大 39―0 天理大 

関学51年ぶり優勝

■体張り防御堅固

関学大―天理大 前半20分、トライを決める関学大・長野=花園

 関学大が51年ぶりに関西の頂点に立った要因は、堅固な防御だ。2人のトンガ人を擁する天理大の力強い攻撃を、体を張ったタックルで阻み、最後までゴールラインを割らせなかった。

 昨秋に練習場が土から人工芝に変わり、フィジカル面を強化するトレーナーがつくなど、学校全体のバックアップが大きかったのも事実。ただし牟田監督が「タックルができないと試合に出られないと、まず選手の意識から変えた」と言うように、例年の3倍に増えた防御の練習が何より大きかった。3トライを奪った長野も「トライより、1年間やってきたディフェンスの成果が出たことがうれしい」と喜んだ。


■1点最後まで死守立命館大

 立命大は最後まで大体大の猛攻を受けながら1点差を守り切った。勝利の笛が鳴り響くと、フィフティーンは天に向かって手を広げ喜びを表した。吉田監督は「1点の大きさを感じました」と安堵(あんど)の笑顔を見せた。

 優勝した関学大や同大を破りながら、敗れれば7位まで沈むという最終戦。終盤の苦しい場面では皆が声を出し気持ちを一つに踏ん張った。

 ただ、選手権へ向け課題は残った。攻め込みながらのミス、波のある試合運び…。和田主将(4年、立命館宇治)は「ラグビーは気持ち7割、スキル3割。ミスしたところを修正し、気持ちをマックスに高めたい」と、全国へ照準を向けた。

■Bリーグは龍谷大が優勝

 ラグビーの関西大学Bリーグは30日、龍大グラウンドなどで5試合を行い、今季の全日程を終了した。龍大が25−20で大産大を下し9勝無敗とし優勝した。

 京大は花園大を31−22で破り、6勝3敗で花園大、関大と並んだが、得失点差で3位関大、4位花園大、京大は5位となった。龍大は13日に宝が池で行われる入れ替え戦で、Aリーグ8位と対戦する。


12月 6日 同志社大 71―5 京都産大 

■京都産大、最下位

同大―京産大 前半7分同大、相手陣でのラックから展開し、ロック村上(中央)が独走してトライ。ゴールも決まり14―0とする(宝が池)

 6日、宝が池球技場で最終日の1試合を行い、同大が71−5で京産大を破り、5勝2敗の2位でリーグ戦を終えた。京産大は2勝5敗で、1977年以来31年ぶりの最下位に沈み、13日に宝が池で行われる入れ替え戦でBリーグ1位の龍大と対戦する。4位の立命大までが全国大学選手権に進み、5位の摂南大は14日の関西第5代表決定戦で中京大と対戦する。

 同大は前半3分、敵陣10メートル付近のラックからパスをつないでロック村上(3年、仙台育英)のトライ(ゴール)で先制。その後も素早い展開で攻め、前半で4トライを挙げた。後半もバックス陣がトライを重ね、防御でも鋭いタックルで危機を防いだ。京産大は前半の終盤、ゴール前まで攻めながら、ミスでリズムをつくれなかったのが響いた。

■攻め続けて圧勝

 同大はリーグ最終戦で、目指してきた「攻め続ける」ラグビーをようやく発揮、京産大に圧勝して全国大学選手権へ弾みをつけた。

 風下の前半、いつものようにキックを多用せず、素早く両サイドへパスをつなぐ作戦に出た。3分、細かいパスを受けたロック村上が先制トライを決め、勢いに乗った。

 「つないでくれた人のおかげ。ただ、みんな攻める意識が統一していた」と村上。その言葉通り、15人がかみ合っていく。ハーフ団やバックス陣が巧みなステップで相手タックルをかわし、スペースを突いては、両ウイングに面白いようにパスを通した。

 後半、風上に立つと、さらに攻勢をかけた。4トライのWTB大久保(2年、深谷)は「チャレンジの意識が強かった」。最初は劣勢だったスクラムも「相手が走り疲れて」(村上)優位に立った。計11トライを重ね、京産大の選手権への望みを断ち切った。

 これまで、優位に進めながら相手の流れに合わす試合が多かったが、この2週間、選手は「攻撃」を合言葉に修正した。中尾監督は「ここまで選手が自信を持てていない感じがしたが、今日で払拭(ふっしょく)できた」と手応えをつかんだ。太田主将(4年、天理)は「うちらしくチャンスに攻め続けたい」と選手権へ向け気持ちを高めた。

■FW、接点で完敗

 ○…勝てば5位で大学選手権出場の望みがあった京産大は、同大に完敗。大学選手権の連続出場は23年で途切れた。

 立ち上がり、相手の素早い展開に翻弄(ほんろう)され、得意のFW戦に持ち込めなかった。立命大戦で逆転トライを挙げたWTB森田拓(2年、洛北)をけがで欠いたのも響き、攻撃のリズムをつくれなかった。大西監督は「FWが接点で完全に負けた。完敗でした」と振り返った。

 最下位という厳しい現実に、橋本大主将(4年、九州国際)は「歴史をつくるのは難しいのに、崩してしまった。重さを感じる」とうなだれたが、最後は「(入れ替え戦に)必ず勝って来季につなげたい」と前を向いた。

◇成績表◇