Kyoto Shimbun 2000.7.20 News

 因縁の相手から打った
 殊勲の吉田

写真
阪神−巨人 延長10回裏阪神2死一、二塁、サヨナラ安打を放った吉田剛(右)を笑顔で迎える野村監督
 十回二死一、二塁で打席に向かった。「新庄が走って、回ってくるなと思っていた。リラックスして打席に入れた」。サヨナラのチャンスにも吉田剛はベテランらしく落ち着いていた。同時に不思議な雰囲気も感じていた。

 マウンドには桑田が、一塁には清原がいる。十六年前の一九八四年の夏の甲子園。吉田剛が主将を務めた取手二高は決勝で下馬評を覆し、桑田、清原のいたPL学園高を延長で下して優勝した。吉田剛自身はその試合で桑田から本塁打を放ち、勝利に貢献した。

 「三年のときに桑田から本塁打を打ったのはよく覚えています。打った球はカーブかな。桑田とは公式戦では甲子園以来。一塁には清原が守っているし、打席に入って久しぶりという感じがした」

 待っていたのは真っすぐだという。2球目の直球をバットが捕らえた。快音を残した打球はライナーで左中間を抜けていった。

 殊勲打のうれしさをかみしめるように、吉田剛は一塁手前でガッツポーズ。マウンドでがっくりとうなだれる桑田とは対照的に、満面に笑みを浮かべた三十三歳は、駆けつけたナインの祝福の中に消えた。

 吉田剛はお立ち台で「阪神に入団してから早くここに立ちたかった」と喜んだ。ファンからはインタビューの声がかき消されるほどの大声援を送られ、野村監督は「ベテランの味や」と褒めたたえた。(共同通信)


▲阪神タイガース試合結果▲