現場に立ち記者のやりがい実感

報道部 只 松 亮 太 郎

福岡県出身 2016年入社
滋賀本社、宮津支局を経て、2019年から現職

 

 「建物火災発生」。スマホの通知を見て、乗っていたバスを慌てて降りる。偶然にも現場は近い。サイレンを響かせながら消防車やパトカーが次々と集まってきた。その先には高層階から黒煙を上げるマンション。「現場着きました。取材入ります」とキャップに連絡し、消火活動の緊迫した様子をカメラで撮影する。間一髪で建物から脱出してきた住民に内部の状況を聞き取り、警察や消防への取材を重ね記事を執筆した。

 

 昨春から京都府警担当として、日夜発生する事件や事故の取材にあたっている。捜査機関の壁は厚く、力不足に悩む時間は多いが、デスクや先輩からのアドバイスを受けながら今日も現場を駆け回っている。多くの死傷者を出した京都アニメーション放火殺人事件では、凄惨な現場の焼け焦げたにおいに息をのんだ。容疑者につながる情報を求めて、連日の炎天下、同僚記者と聞き込みを続けた。

 

 学生時代、スポーツ新聞部でマイナー競技に打ち込む選手たちを追いかけたことを機に、「人知れず努力を続けたり、苦しんだりしている人の力になりたい」と記者を志した。

 滋賀県警担当だった初任地の滋賀本社では、老老介護の末に妻に手をかけた男性の苦悩を見つめた。日本三景・天橋立にほど近い宮津支局では、人口減少や財政難などの課題に立ち向かう地域の人々の思いに触れた。イルカの生態調査に奮闘する高校生や、京都の水産資源を支える研究者らと一緒に日本海へも繰り出した。

 

 九州出身の自分だが、京都や滋賀での取材は、見ること聞くこと全てが新鮮に映る。地元では当たり前のようなことを質問し、取材相手を困らせる時もあるが、 「よそ者」だからこその驚きと素朴な疑問が大切だと感じている。

 

 現場を踏めることには、楽しさと表裏一体に怖さもある。ただ、そこに立つ責任の重さは記者としてのやりがいに変わると実感している。これからも現場で人と会って話を聞き、いち早く正確な情報を読者に伝えたい。

 

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