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ベトナム戦争、枯葉剤の傷跡なお 現地の医師ら実情訴え

ベトナムの医師や退役軍人らが米軍による枯れ葉剤被害の実情や被害者支援を訴えたシンポジウム(京都市下京区、キャンパスプラザ京都)
ベトナムの医師や退役軍人らが米軍による枯れ葉剤被害の実情や被害者支援を訴えたシンポジウム(京都市下京区、キャンパスプラザ京都)

 ベトナム戦争終結から40年以上経ても、米軍が投下した枯れ葉剤による傷跡がなお残り、被害者の自立や家族の貧困はベトナム社会に重い問題としてのしかかる。ホーチミン市で職業訓練など自立促進の施設建設への支援を呼び掛ける民間団体「オレンジ村支援日本委員会」(京都市中京区)の招きで、医師や退役軍人らベトナムからの一行がこのほど関西を訪れた。シンポジウムで被害の実情と支援を訴え、障害者の就労現場などを精力的に視察した。

 来日したのはベトナム枯れ葉剤協会副会長で元人民解放軍少将のチャン・ゴック・トオ氏、医師のグエン・チ・ゴック・フォン博士とグエン・チ・フォン・タン博士を中心とする5人。フォン博士は、日本で「ベトちゃんドクちゃん」の名で知られた双生兄弟の初代主治医、タン博士は同2代目主治医を務めた。

 一行は5月27日から6月2日まで京都府内や大阪・神戸の各市に滞在した。

 5月31日夜、京都市下京区のキャンパスプラザ京都でオレンジ村支援日本委員会が主催したシンポジウムに臨んだ。

 トオ副会長は、1961年から約10年間、米軍が南ベトナムに「オレンジエージェント」などと呼ばれるダイオキシンを含む人体に極めて有害な枯れ葉剤を大量に散布した歴史を説明し、「戦争終結から4世代に悪影響が及ぶ」と述べた。フォン博士は女性の母乳に残るダイオキシンの濃度が高い実情と死産、流産などが大幅に多いデータを示し、「ダイオキシンはベトナム人の体内、環境に今なお存在し、苦しめている」と語った。

 タン博士はホーチミン市に被害者協会が計画中の「オレンジ村」構想を示した。オレンジ村は、同市から無償譲渡された約4万7千平方メートルのうち第1期として1万1千平方メートルに診療、治療などの6棟を計画。医療機器、職業訓練の設備、救急車両などが必要だと説明した。

 フォン博士はシンポジウムの参加者に「ベト・ドクを日本のみなさんに助けていただいた恩を忘れません」とし、オレンジ村建設への支援を訴えた。

 一行は29日に大阪市、6月1日にも神戸市でシンポジウムに参加した。

【 2018年06月17日 09時15分 】

ニュース写真

  • ベトナムの医師や退役軍人らが米軍による枯れ葉剤被害の実情や被害者支援を訴えたシンポジウム(京都市下京区、キャンパスプラザ京都)
  • ベト・ドク兄弟の初代主治医で、枯れ葉剤被害の実情を話すフォン博士
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