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希少シダ、名も知らず育てられ 京都・亀岡の民家で大切に

近藤さん宅の庭の植木鉢で成長した府絶滅危惧種のコハナヤスリ(亀岡市大井町)
近藤さん宅の庭の植木鉢で成長した府絶滅危惧種のコハナヤスリ(亀岡市大井町)

 京都府の絶滅危惧種に選定されている希少なシダ植物「コハナヤスリ」が、亀岡市大井町の民家の庭で見つかった。外から胞子が飛んできて根付いた可能性が高く、住民が数年前から、名前を知らないまま植木鉢で大切に育ててきたという。専門家は「現存数が少ない。非常に珍しいケースだ」としている。

 希少なシダ植物がみつかった民家は近藤信子さん(71)宅。野草やシダを育てるのを趣味にしており、庭の手入れは欠かさない。数年前、庭に放置していた植木鉢から、見知らぬ芽が出ているのに気付き図鑑で調べたが、植物の名前は分からなかったという。

 それでも欠かさず水をやり、冬場は室内に入れるなどして大切に育ててきたところ、茎のようなものが伸びてきた。今年6月上旬、府立植物園(京都市左京区)の植物相談に持参するなどし、コハナヤスリだと判明した。

 京都府のレッドデータブックによると、コハナヤスリは府全域を生息域としていたが、中丹・南丹地域は「現状不明」、京都市域と山城地域は「絶滅」したとある。造成跡地などに現れても移り変わる傾向が強く、すぐに消失するという。

 近藤さんは「そんなに貴重な植物が育っていたとは驚きです。とてもうれしい」と話す。

 庭の環境が生育に適していたと見られ、シダ植物に詳しい同志社大非常勤講師の光田重幸さん(67)は「植物自体も珍しいが、こんなに生き生きした個体を見たのは初めてだ。大切に育てられた証拠で、人柄が伝わってくる」としている。

【 2018年07月04日 16時30分 】

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  • 近藤さん宅の庭の植木鉢で成長した府絶滅危惧種のコハナヤスリ(亀岡市大井町)
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