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京都市の小学校英語教育が本格化 全国に先行、教員支援が課題

外国語指導助手(中央右)の正しい発音を聞いて英単語を発語する児童たち=京都市右京区・嵯峨野小
外国語指導助手(中央右)の正しい発音を聞いて英単語を発語する児童たち=京都市右京区・嵯峨野小

 2020年度に実施される新学習指導要領で小学5~6年生の英語が教科化されるのを前に、京都市の小学校で英語教育が本格化している。京都市では全国より3年早く08年度から導入。本年度も国の基準を超える授業数を確保した。一方で、不慣れな教員への対策や負担軽減が課題として浮かび上がる。

 「carrot(ニンジン)」「banana(バナナ)」。5月下旬、右京区の嵯峨野小。6年生の外国語活動で、外国語指導助手(ALT)の後に続き児童たちが元気に声を出した。大道菜月さん(11)は「ALTが優しく教えてくれるし、みんなで英語を話すのは楽しい」と笑顔を見せた。

 同小は14~17年度に市の「英語教育推進研究拠点校」に指定されたのを機に、英語学習に積極的に取り組んできた。現在、全国の3年生以上は「外国語活動」として英語に親しんでいるが、同小は2学期以降、独自に1~2年生でも外国語活動を始める予定だ。

 だが、ほとんどの教員は英語を専門に教えた経験がなく、間違った発音や文法を教えてしまうのではという懸念があるという。昨年から英語の授業をしている3年担任の村井俊之教諭(37)は「自分が話せないので不安はある。今は子どもと一緒に勉強しているという感じ。最近は少し発音が良くなってきた」と苦笑する。

 同小研究主任の小幡真弘教諭(39)は、ALTと豊富なメディア教材を使えば、誤った発音を教えることは避けられるという。「先生たちは教えることのプロなので、うまくかみ合わせたい」と話す。村井教諭も「子どもが発語する機会を増やすような授業展開を心掛けている」とし、教諭としての蓄積を生かして授業に臨む。

 文部科学省は英語の授業数(1コマ45分)について、18~19年度の移行期間で小学3~4年は年15コマ、5~6年は年50コマを定めている。京都市では19年度で3~4年が35コマ、5~6年が70コマと、国の基準を上回るコマ数を確保した。指導要領にはないが、20年度からは1~2年生に年10~15コマの外国語活動を導入する。

 京都市教委学校指導課は「京都が国際都市であることとグローバル化を見据えると、先んじて進めることが子どものためになる」と英語教育に力を入れる理由を説明する。

 正式な教科になることで、教員は外国語活動の中心だった「聞く・話す」に加え、「読む・書く」を含めた4技能を教えることになり、児童への成績評価も必要となる。コマ数と教える内容が大幅に増え、長時間労働が指摘される教員の負担がさらに増えることも予想される。

 市教委は環境整備に乗り出している。英語教育を担当する指導主事を市教委事務局で増員。ALTを17年度と18年度に5人ずつ増やして47人とし、今後さらに増やす方針だ。従来の研修に加え、夏にはALTと教員の連携を深める研修を初めて実施する。

 市教委学校指導課は「4技能の力をまんべんなく付け、小中の接続がうまくいくように丁寧な指導をしていきたい。そのために、あらゆる面で現場への支援を強めていく」としている。

【 2018年07月23日 15時40分 】

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