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京都文化、台湾で紹介 ミュージアム連携14大学

昭和3年に開催された大礼記念京都大博覧会のポスター(京都工芸繊維大美術工芸資料館蔵)
昭和3年に開催された大礼記念京都大博覧会のポスター(京都工芸繊維大美術工芸資料館蔵)

 京都の14大学で構成する「京都・大学ミュージアム連携」が12月から来年2月まで、台湾・国立台北教育大の博物館で所蔵品展を開くことになった。学術交流と京都文化の紹介が目的で、大学の博物館などが所蔵する錦絵や日本画など約160点の美術工芸品などを展示する。交流の成果は来年9月に開催されるICOM(国際博物館会議)京都大会で披露される。

 同連携は2011年、文化庁の助成で発足。大学コンソーシアム京都での講義や各館を巡るスタンプラリーのほか、九州や東北、沖縄での特別展や地元の大学との交流を通じ、京都の地域性や大学ミュージアムの意義を発信してきた。

 大学ミュージアム連携組織は大阪などにあり、京都では歴史や宗教、美術、教育、科学など各館の個性が際立つ。昨年12月に台湾で国際フォーラムを開き、嵯峨美術大付属博物館の芳野明館長らが連携の意義や芸術教育などをテーマに議論を深める一方、台湾の研究者らが京都の各大学博物館を調査し、共同で所蔵品展の準備を進めてきた。

 海外での展覧会は初めてで、主な出品作は幕末―明治の浮世絵師・豊原国周が弁慶と義経の対決を描いた「五条橋早瀬月影」(京都造形芸術大蔵)、円山派の画家・中島有章の「遊鯉図屏風(びょうぶ)」(京都市立芸術大蔵)など。昭和天皇即位記念の博覧会ポスターのように京都観光の資料もあり、「日本的で見栄えがする作品が目玉」(芳野館長)という。

 このほか、日本統治下の台湾(1895~1945年)との交流を示す展示もある。島津製作所製「電車模型・架空複線式」(京都教育大蔵)は京都と台湾の大学で同時期の実験器具だった。京都工芸繊維大や京都大が所蔵する台湾・蘭嶼達悟(らんしょたお)族の舟模型は、台湾にもほとんど残っていないことが事前の調査で分かった。京都大博物館の岩崎奈緒子館長は「テーマを決めた調査で資料の価値の再発見につながった」と博物館連携の意義を話す。

 展示品の輸送費調達などの課題もあるが、「ミュージアム連携」運営委員長を務める京都工芸繊維大美術工芸資料館の並木誠士館長は「京都らしく多様な分野の交流で、複眼的な見方を展示に生かせるだろう。海外との学術交流の端緒になれば」と期待している。

【 2018年08月22日 11時26分 】

ニュース写真

  • 昭和3年に開催された大礼記念京都大博覧会のポスター(京都工芸繊維大美術工芸資料館蔵)
  • 島津製作所製「電車模型・架空複線式」。日本と日本統治時代の台湾の大学で実験器具として使われた(京都教育大・教育資料館まなびの森ミュージアム蔵)
  • 台湾・蘭嶼達悟族の舟の木製模型。異なる文様の同型の舟を京都工芸繊維大も所蔵する(京都大総合博物館蔵)
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