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災害弱者の個別計画進まず 京都、支援者確保難しく

精華町が要支援者に発送する予定の個別計画などの書類(町役場)
精華町が要支援者に発送する予定の個別計画などの書類(町役場)

 災害時に自力で避難が困難な高齢者や障害者ら「災害弱者」に対して、事前に支援者や避難場所、経路などを決める「個別計画」の策定が、京都府山城地域の自治体で進んでいない。支援者不足が高い障壁になっているが、山間部など安全な避難経路を定めることが困難な地区も多い。実効性のある計画策定は道半ばだ。

 精華町は、「要介護3~5」「身体障害者手帳1、2級」など町内の要支援者1060人のうち、支援者に名簿を提供する同意が得られていない約600人に向けて、同意書や個別計画用紙を郵送すべく、作業を進めている。返信のない要支援者は民生委員らが訪問し、全員分の策定を目指している。

 しかし、支援者の確保は難航している。策定済みでも、1人の民生委員が複数の要支援者を支援する計画であったり支援者名が空欄だったりするケースがある。

 支援者の確保の難しさは、他の自治体も同じだ。「近所付き合いが希薄」(京田辺市)、「高齢者が多く、担い手がいない」(城陽市)などと担当者は悩む。

 国は要支援者名簿の作成を義務化したが、個別計画作成は義務ではない。国は要支援者1人について支援者を「複数」と推奨するが、数を定めていない自治体もある。

 宇治市も、数を定めていない。担当者は「複数にした方がいいが、ハードルを高くすると計画が立てにくくなる」と苦しい胸中を語る。

 山間部が多い自治体も課題を抱える。

 笠置町は土砂災害警戒区域が92カ所あり、担当者は「いつ、どこが崖崩れをするか分からず、迂回(うかい)路もない。安全な避難経路の指定が難しい」と明かす。さらに、人口(1356人)の約半数が65歳以上で「地域によっては、高齢者が要支援者を支援することになる」といい、まだ個別計画は未策定だ。

 八幡市は、大阪府北部地震による家屋損壊などの被害が府内で多かったことから、危機感を強めた自治会から要支援者登録制度の説明を求める声が相次ぎ、市職員が出向いて説明した。今後、市の広報で名簿登録を呼び掛け、秋に行われる各自治会の防災訓練でチラシを配る予定だ。

 担当者は「地震をきっかけに防災への機運が高まっている。制度を知らない人もまだいるので、周知を進めたい」と話す。

【 2018年09月07日 16時30分 】

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