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京都の人気B級グルメ「ゴム焼きそば」知られざるルーツとは…

福知山市で戦後から親しまれてきた焼きそばの麺。ゴムのような色や食感が特徴(同市問屋町・高見製麺所)
福知山市で戦後から親しまれてきた焼きそばの麺。ゴムのような色や食感が特徴(同市問屋町・高見製麺所)

■ゴム焼きそば(京都府福知山市)

 ジュージューと音を立てる鉄板と、香ばしいソースの香り。茶色い縮れ麺を口に運ぶと、独特の香りが広がった。福知山市では戦後から、独自の麺を使った焼きそばが庶民の味として親しまれてきた。堅めの食感と見た目が輪ゴムに似ていることから近年は「ゴム焼きそば」と呼ばれ、観光客からも人気を集めている。

 発祥は、同市中ノで1950年に創業したお好み焼き店「神戸焼」。創業者の故永井孝三郎さんが、戦時中に中国で食べた広東麺の味が忘れられず、地元の製麺業者と麺を再現したのが始まりという。繁華街に近く、国鉄職員や自衛隊員らでにぎわった同店の味は徐々に市内各店に広がり、スーパーでも麺が販売されるなど、市民権を得ていった。

 特徴的な麺を生産するのは、同市問屋町の高見製麺所。通常の焼きそば麺の蒸し時間は2、3分だが、ゴム焼きそばの蒸し時間は、その10倍の30~40分。蒸したての熱い麺に油をまぶして手でほぐせば、独特の食感と小麦やかん水でできたシンプルな味が引き立つ麺が完成する。

 かつては複数の製麺所が手掛けていたが、高齢化などで次々と廃業。唯一となった同製麺所の麺は現在、市内のお好み焼き店5店で提供されている。社長の高見英雄さん(61)は「小さい頃から焼きそばといえばこの麺。生産に時間はかかるが、ずっと残していきたい」と力を込める。

 ゴム焼きそばは近年、福知山の「B級グルメ」としてテレビや雑誌で紹介されることも多い。1980年創業のお好み焼き店「ふじ」(同市天田)には、国内外の観光客が訪れる。店主の藤本加代子さん(69)が作るゴム焼きそばは、ラードのコクとたっぷりの野菜が特徴。常連も観光客も、一緒に年季の入った鉄板を囲み、出来たての味を楽しむ。

 「ここじゃないと食べられないからと来てくれる人も多い」と藤本さん。周囲には高齢でのれんを下ろすお好み焼き店も多いというが、「続けられる限り、この味を守っていきたい」と語る。

【 2018年10月09日 16時48分 】

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  • 福知山市で戦後から親しまれてきた焼きそばの麺。ゴムのような色や食感が特徴(同市問屋町・高見製麺所)
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