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西郷どん熟慮にじむ直筆漢詩 明治初期の草稿を発見、京都

西郷隆盛の直筆による漢詩の草稿。朱筆で添削したあとが残されている
西郷隆盛の直筆による漢詩の草稿。朱筆で添削したあとが残されている

 西郷隆盛の直筆による漢詩の草稿が新たに見つかった。明治2~3(1869~70)年ごろの詩3首が記され、鑑定した専門家は「添削の跡などから推敲(すいこう)を重ねて詠んだことがうかがえ、西郷が残した漢詩を研究する上で貴重な史料だ」としている。

 古美術収集家で歴史や文化の学習アドバイザーを務める鳥井光広さん(40)=京都市上京区=が、神奈川県鎌倉市内の骨とう品店で7月に発見し、入手した。詩を書いた帳面の一部を切り取って掛け軸にしたもので、保管されていた箱には西郷の孫で政治家となった吉之助の署名、押印がある。

 西郷は、流刑の地・沖永良部島などで熱心に漢詩を習い、生涯で200首近い詩を残したとされる。今回見つかった草稿のうち、「世上毀誉軽似塵」(世の人のほめそしりはちりのように軽くはかないものだ)で始まる詩は、遠島での日々を回想した作品として広く知られている。

 草稿を鑑定した霊山歴史館(東山区)の木村幸比古副館長によると、書式や紙質が類似した別の詩の草稿1点を鹿児島県歴史資料センター黎明館(鹿児島市)が保管しているが、新たに発見されるのは珍しいという。西郷に漢詩を教えた書家、児玉天雨(源之丞)が朱筆で添削した跡もあり、「思いつきではなく何度も熟慮を重ねて詩をしたためたことが分かる」と指摘する。

 発見者の鳥井さんは自身の古美術コレクションを子ども向けの体験学習などで活用しているといい、「西郷の心情を表現した貴重な草稿を、今後多くの人に見てもらいたい」と意気込む。

【 2018年10月10日 08時59分 】

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