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刑務所移転前向き 法務省が京都市長に意向伝達

京都刑務所。京都市は地下鉄東西線椥辻駅から徒歩5分にある刑務所の移転を要望し、跡地の有効活用を検討している(京都市山科区東野)
京都刑務所。京都市は地下鉄東西線椥辻駅から徒歩5分にある刑務所の移転を要望し、跡地の有効活用を検討している(京都市山科区東野)

 京都市が跡地活用を目指して国に要望している京都刑務所(山科区)の移転について、門川大作市長は16日の市議会決算特別委員会で、所管する法務省の幹部が前向きに検討する意向を示したことを明らかにした。要望の実現に向けて一歩踏み出した格好だが、移転には地元住民の間で賛否がある上、巨額の費用や移転先を確保する必要もあり、実現へのハードルは高い。

 京都刑務所は市営地下鉄東西線椥辻駅から徒歩5分と好立地で、敷地面積は職員住宅も含めて約10万7千平方メートルと、甲子園球場3個分近くに相当する。市は跡地をまちづくりに活用しようと、2013年に谷垣禎一法相(当時)に要望書を出して以降、毎年国に移転を求めてきた。

 門川大作市長は昨年11月に法務事務次官と会い、今年7月には法務省矯正局長と会談した。その際、局長が「双方にとって良い結果が導けるように進めていきたい」と発言したことを同委員会で明らかにした。同省も京都新聞の取材に発言を認めた。

 ただ、移転を実現するための前途は多難だ。一つは、巨額の費用。京都刑務所は2001年に全面改築したばかりで、数十年使える建物を税金で移転するには説得力のある説明が必要になる。

 もう一つは移転場所だ。国は主体的に検討する立場だが、門川市長は16日、取材に「候補地の情報共有など、市が協力できるところはしたい」と述べた。だが、たとえ場所を確保できたとしても、周辺住民に刑務所を「迷惑施設」ととらえられれば、ハードルはさらに高くなる。

 地元住民からは「静かな環境を壊したくない」「移転後に誘致する施設次第では反対」といった声もある。市は刑務所跡地の活用策を含めて山科区の新たなまちづくり戦略づくりに取り組んでおり、本年度中に法務省に提案する方針だ。まちの将来像を明示し、地元住民の理解を得ながら慎重に協議を進めていくことが求められる。

【 2018年10月16日 16時40分 】

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