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倒れた巨木で仏像、来春奉納へ 京都伝統工芸大学校生ら制作

制作中の薬師如来像を見学する檀信徒と学生ら(京都府南丹市園部町・京都伝統工芸大学校)
制作中の薬師如来像を見学する檀信徒と学生ら(京都府南丹市園部町・京都伝統工芸大学校)

 京都府南丹市園部町の京都伝統工芸大学校の学生たちが、倒れたケヤキの巨木を使って、仏像の制作を進めている。依頼した龍顔寺(長野県上田市)の関係者がこのほど、同校を訪問。仏像にのみを入れて、来年3月の完成奉納を心待ちにしていた。

 龍顔寺は曹洞宗で、戦国武将・真田昌幸の弟・高勝の菩提寺として1607年に創建された。昨年8月、高さ30メートル以上、幹の太さが直径約1メートルのケヤキが強風で倒れ、境内の池に一部が沈んだ。

 倒れたケヤキの一部を上田市から同校に運び、7月から仏師須藤隆さん(44)の指導の下、仏像彫刻専攻の学生25人が薬師如来像とその両脇に安置する日光、月光菩薩(ぼさつ)像の計3体を彫っている。

 薬師如来像は台座と光背を合わせて高さ約2メートル30センチ、薬つぼを持つ姿で寄せ木造り。本体はケヤキ、ほかの部分は東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市のマツを使う。

 11月に、同寺護持会の役員3人が実習室で粗彫りが終わった仏像を見学。薬師如来像の分解した体の内側に、のみを入れた。

 吉池文男会長(69)は「倒木に新たな命が吹き込まれていくようだ。顔の表情も素晴らしく、完成が楽しみです」と話し、4年増田慶太さん(21)は「ケヤキは堅く削るのが大変ですが一刀一刀思いを込めています」と話していた。

【 2018年12月18日 15時00分 】

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