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教会を泳ぐエンゼルフィッシュ 水族館併設し賞、外来カメも

教会で水族館を運営する牧師篠澤俊一郎さん(京都市右京区)
教会で水族館を運営する牧師篠澤俊一郎さん(京都市右京区)

 花園キリスト教会(京都市右京区)に設けた水族館が昨年11月、国連生物多様性の10年日本委員会から「生物多様性アクション大賞」の入賞に選ばれた。国連が提唱する持続可能な開発目標「SDGs(エスディージーズ)」を広めることにつながると活動が評価された。

教会で水族館を運営しているのは、牧師篠澤俊一郎さん(38)。

 エンゼルフィッシュやアロワナなど淡水魚を中心に約180種類を展示している。ペットショップで商品価値を失った生き物を引き取ったり、家庭や個人で飼育できなくなり「引き取ってほしい」と頼まれたりして種類は豊富になっていった。

 原点は趣味で教会に水槽を置いてまもなかった2012年冬。「生きてる魚を見たことがなかった」。水槽を眺める一人の子どもがつぶやいた言葉に衝撃を受けた。

 高校卒業まで豊かな自然に囲まれた島根県と鹿児島県で過ごした。教会のある住宅街では無料で生き物に触れられる環境が少ない。「子どもの視野を広げるのにお金を払わないといけないなんて」。そう気づいて「お手伝いできることがあれば」と14年12月、入場無料で花園教会水族館を開いた。

 来館者は児童から淡水魚マニアまで幅広い。口コミで広がり、最近は特別支援学校に通う発達障害などを抱える児童も多くなった。児童には、生態の説明だけでなく「人間と一緒で、生き物もスキンシップをしてあげないと応えてくれないよ」と伝え、できるだけ手で触れてもらう。「生き物にやさしくなれば、人にもやさしくなれるから」

 外来種のカミツキガメもいる。外来種を“悪”だと決めつけず、じっくり観察して良いところと悪いところを発見する。これが多様性の一歩だと、篠澤さんは考える。

 「生き物を見ると世界は広いと分かる。子どもの視野が広がるよう、観察する楽しさも伝えていきたい」

【 2019年01月20日 10時47分 】

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  • 教会で水族館を運営する牧師篠澤俊一郎さん(京都市右京区)
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