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創業500年京都の老舗茶屋、スイス人男性が「婿入り」

店を訪れた観光客に商品を説明するトビアスさん(宇治市宇治・三星園上林三入本店)
店を訪れた観光客に商品を説明するトビアスさん(宇治市宇治・三星園上林三入本店)

 老舗茶屋に婿入りしたスイス人男性、トビアス・ベーアさん(34)。創業500年の老舗茶屋、京都府宇治市の三星(みつぼし)園上林三入本店。外国人観光客でにぎわう店内で、商品を手に、英語で説明している生き生きとした姿が目立つ。

 日本語も達者だ。「日本茶は色、香り、味で楽しむことができる。失敗もあるけど、いい茶を作れるようになりたい」と意気込む。

 スイス出身で、2005年に父親と一緒に初めて日本を訪れた。「父の会社の友人から贈られてくる日本茶が大好きで、家でよく飲んでいました」。茶の名産地と聞いて宇治にも立ち寄り、茶を買って帰った。

 06年に再び宇治を訪れた時、同じ店頭に立つ田中ゆみさん(33)に出会い、一目ぼれした。今の妻だ。スイスに帰ってからメールのやりとりを重ね、年に1度は日本を訪れた。「彼女とコミュニケーションをとりたくて一生懸命日本語を学びました」と照れ笑いする。

 14年に結婚し、婿入りした。日本に移り住み、老舗茶屋で働くことに迷いはなかったという。「茶にとても興味がありました。妻が老舗茶屋の生まれなら、学ばないともったいないと思いました」

 働き始めると、言葉や習慣など、文化の違いに戸惑った。言われたことを一度で理解できず、仕事をうまくさばけないこともあった。「他の外国人より日本のことを知っているつもりだった。でも実際に生活すると全然違う。つらいこともあるけど、やっぱり茶が好きだから、学び続けたい」と話す。

 今では、店頭での接客や抹茶体験、茶工場の作業まで担う。店の2階にある資料室では、茶の歴史を英語で解説することもある。「日本文化は外国でブームになっているが、茶のことを細かく知っている人は少ない。茶は好みで楽しむもの。入れ方が難しい、苦い、というイメージではなく、茶の楽しいところを丁寧に広めていきたい」と語る。

【 2019年02月05日 15時45分 】

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  • 店を訪れた観光客に商品を説明するトビアスさん(宇治市宇治・三星園上林三入本店)
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