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台風で根こそぎ倒れたサクラ満開に 京都「生命の神秘に驚き」 

昨年の台風21号の暴風で根こそぎ倒れたものの、満開の花を咲かせたサクラの木(京都市南区・桂川堤防)
昨年の台風21号の暴風で根こそぎ倒れたものの、満開の花を咲かせたサクラの木(京都市南区・桂川堤防)

 昨年9月の台風21号で根こそぎ倒れたサクラの木が、京都市南区の桂川堤防で満開の花を咲かせている。根っこはむき出し、幹や枝も地面に横倒しになったままで花開き、春風に揺れている。管理する国土交通省淀川河川事務所桂川出張所によると、4月中に樹木医の診断を受ける予定だが、復活させるか撤去するかは未定という。花見に訪れた人たちは「痛々しいくらい懸命に咲いている。何とか元の姿に戻してほしい」と、台風被害を受けたサクラを見守っている。

 同出張所によると、台風21号の暴風で、桂川と天神川の合流点付近の堤防に植えられたサクラ約60本のうち、ソメイヨシノや濃いピンクの花が特徴のヨウコウなど10本が根こそぎ倒れ、6本が傾いた。同出張所によると、被害を受けているサクラは4月中に樹木医に見てもらい、復活する可能性があれば原状回復する予定という。

 花見のシーズンを迎え、桂川堤防には連日、家族連れなどの花見客が訪れている。地面に倒れているため普段より近い距離で花を見ることができ、スマートフォンで写真を撮る人の姿も目立つ。ツイッター上でも倒れたまま咲いているサクラの写真の投稿が話題を集め、「一生懸命咲いてる姿が美しい」「生命ってすごい」など多数のコメントが寄せられている。

 友人と花見に訪れた南区の女性(33)は「近くで見られるのはうれしいけど、せっかくの桜並木なので何とかしてほしい」。毎日散歩で通るという近くに住む女性(81)は「根っこがちぎれているのに、どうしてこんなにきれいな花が咲いたのか、驚いている。早く元の姿に戻してあげたい」と見守る。

 京都府立植物園の西原昭二郎副園長によると、サクラの根は地中で四方八方に伸びているため、倒れても一部が残っていれば水分や栄養分を吸い上げて、開花することがあるという。西原副園長は「倒れてから早い時期に起こして埋め戻せば、再び根付くことも考えられる。これからの季節は植物が最も成長する時期で、暖かくなるにつれて必要となる水分も増える。復活させるには早めの対処が必要だ」と話している。

【 2019年04月04日 14時17分 】

ニュース写真

  • 昨年の台風21号の暴風で根こそぎ倒れたものの、満開の花を咲かせたサクラの木(京都市南区・桂川堤防)
  • 倒れたサクラは4月中に樹木医の診断を受け、今後の対応を決めるという(京都市南区・桂川堤防)
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