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祇園祭・材料足りず「ちまき」ピンチ 高齢化も影響、苦渋値上げ

ちまきを仕上げる山鉾町の住民。今年は9保存会が値上げを決めた(京都市内)
ちまきを仕上げる山鉾町の住民。今年は9保存会が値上げを決めた(京都市内)

 祇園祭の各山鉾町の厄よけちまきについて今年、9保存会が授与価格の値上げに踏み切ることをこのほど決めた。材料のわらやササの不足、作り手の高齢化など安定供給が年々難しくなっていることを背景に仕入れ値が上昇したためで、ちまき授与がなくても鉾に上がれる券を新設してちまき不足に対応する町も出てきた。

 ちまきはわらをササの葉で包んでイグサで巻いた物を束にしている。黒主山保存会(京都市中京区)は仕入れ値が上がったことを受け、授与数を昨年より500束ほど少なくする。古川貴士理事は「昨年より早くなくなる可能性があるので必要な方は早めに来てほしい」と呼び掛ける。

 昨年、授与数を減らした町は宵山の前にちまきがなくなったり、1日の授与数を制限して宵山分を残すなどの対応に迫られたりした。このため9保存会が仕入れ値上昇への対応策として100~500円の値上げを決めた。うち白楽天山保存会(下京区)はちまきだけの授与をやめて絵はがきと組み合わせる。

 一方、月鉾保存会(下京区)は千円でちまきの授与を受けた人が鉾にも乗れるが、新たに500円で鉾に乗れる券を用意する。斎藤政宏理事長は「例年、鉾に乗るためにちまきを求める人もいた。新たな券を作ることで本当に必要な人にちまきが届くようにしたい」と狙いを語る。さらに通常1束10本を7本に減らしたちまきを役員向けに試作。事情を説明して理解を求めた上で配布する。

 ちまきの仕入れ値は生産者で異なる。ある生産者によると、わらやササは京都府内外から集めているという。コンバインの普及でコメの収穫時に稲わらは裁断されるため、わらの価格はこの10年で8~9倍に跳ね上がった。ササも山に採りに入る人が高齢になり、4割ほど値上がりした。わらを確保するため専用の機械をコンバインに取り付けるなどの負担もあり、「厚意だけではできない伝統の危機だ。安定供給するとともに後継者を育てるために値上げは必要」と考えている。

 ある保存会はこうした状況に理解を示し、今年はあえて昨年より高い仕入れ値のちまきを選んだ。理事長は「生産者への応援の気持ちを込めた。昔からのやり方では持続しないのは明らか。今のうちに何か手を打たなくてはならない」と話す。

【 2019年07月02日 18時40分 】

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