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170億円の費用対効果が争点 京都スタジアム訴訟で府勝訴

建設が進む府立京都スタジアム(京都府亀岡市保津町より望む)
建設が進む府立京都スタジアム(京都府亀岡市保津町より望む)

 京都府亀岡市で建設中の府立京都スタジアムを巡り、府と亀岡市に対し、支出差し止めを求めた住民訴訟で、京都地裁は16日、スタジアムに「違法性はない」と判断した。観客数1万人を見込む府の費用対効果が過大かどうかが主要争点になったが、府と市の主張を全面的に認めた。府市は「着実に工事を進める」と安堵(あんど)し、原告は控訴を検討する。

 スタジアム事業に府は156億円、市は20億円を支出または支出予定。府は直近10年間の京都サンガFCのホーム平均入場者数約8千人を基に、新設効果を加えた1万人が来場すると想定、事業費より約1・5倍の効果があると主張。原告は現状の入場者数(約5700人)をベースに交通渋滞の損失などを加味すれば、効果は事業費を下回るとの独自分析を示して反論していた。

 判決は「(入場者数は)戦績や人気の変動で左右されるため不確定」「原告が行った分析の妥当性にかかわらず、(府の想定は)経済的合理性がないとはいえない」とし、建設事業を追認した。

 判決はスタジアムの必要性にも言及した。原告はサンガのホームである西京極陸上競技場(京都市右京区)で「プロスポーツを観戦できる」と主張したが、判決は施設の老朽化に加え、西京極が球技と陸上競技との兼用であることを指摘。「全国的な試合に対応可能な専用球技場を新設する必要性がないとはいえない」とした。

 府と市は「主張が全面的に認められた」とし、原告団代表(70)は「原告側の分析の是非も判断せず、極めて不当な判決だ」とした。

 遊水地にスタジアムを建設することに対する治水への影響を争う訴訟も係争中で、11月に判決が出る。

【 2019年07月17日 09時42分 】

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