出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

脊髄損傷のデザイナー、作品続々 京都、「人の喜びが原動力」

あごで操作できる特製のマウスを使って「福祉工房P&P」の名刺をつくる野瀬さん(京都市右京区・宇多野病院)
あごで操作できる特製のマウスを使って「福祉工房P&P」の名刺をつくる野瀬さん(京都市右京区・宇多野病院)

 脊髄損傷のために入院中の男性が、名刺などの印刷物のデザイナーとして活躍している。肩から下が不自由なためほぼ寝たきりだが、病床にパソコンを設置してあごでマウスを操作、受け取った人に喜ばれるデザインを次々と生み出している。

 野瀬時貞さん(20)=京都市東山区。小学生のころから鳴滝総合支援学校(京都市右京区)に在籍、6年生の時に脊髄損傷と診断された。高等部3年の時に実習で訪れた伏見区の就労支援事業所「福祉工房P&P」で印刷物作成の現場に刺激を受け、デザイナーを志すように。入院が必要なため通所型の就労支援事業所の利用は難しく、支援学校卒業後の2015年4月からは、P&Pのスタッフが手弁当で月に3回、入院先の宇多野病院(右京区)を訪れてはパソコンを使ったデザインやアニメーション作成を指導している。

 現在、より高度な技術を学ぶ傍ら、P&Pの専属デザイナーとして工房の仕事を請け負う。さらに、主治医や支援学校の教員には自ら営業活動を行って名刺の受注にも成功。似顔絵を描いてほしいといった細かな注文もマウスを駆使して応じている。

 顧客や工房スタッフらの反応からデザイン力の向上も実感しているといい、野瀬さんは「自分の仕事で誰かが喜んでくれることが、次の仕事に向かう原動力になっている。今後はキャラクターデザインを極めたい」と話す。

 ボランティアで携わるP&Pの岡村俊裕事務長は「府のアビリンピック(障害者技能競技大会)で2度にわたって銀賞を受賞するなどすばらしい才能の持ち主。今後はもっと複雑な仕事も積極的にお願いしたい」と期待を寄せている。

【 2017年09月09日 17時00分 】

ニュース写真

  • あごで操作できる特製のマウスを使って「福祉工房P&P」の名刺をつくる野瀬さん(京都市右京区・宇多野病院)
京都新聞デジタル版のご案内

    地域の政治・社会ニュース

    全国の政治・社会ニュース

      スポーツ

      近江8強、金足農と対戦へ 全国高校野球

      20180817000224

       第100回全国高校野球選手権第13日は17日、兵庫県西宮市の甲子園球場で3回戦残り4試..... [ 記事へ ]

      経済

      グンゼ、ベトナムに新工場 フィルムの生産強化

      20180817000167

       グンゼは17日、プラスチックフィルムの生産を強化するため、ベトナムに新工場を建設すると..... [ 記事へ ]

      観光・社寺

      「船渡御」夕暮れを進む 大津・船幸祭

      20180817000210

       大津三大祭りの一つ、建部大社(大津市神領1丁目)の船幸祭(せんこうさい)は17日、本祭..... [ 記事へ ]

      教育・大学

      「藩校」記憶求めて 京都・舞鶴、9月に府内初のサミット

      20180815000202

       江戸時代に各地の藩が藩士の子弟教育のために設立した「藩校」。そのゆかりの地で開かれてき..... [ 記事へ ]

      環境・科学

      国内57年ぶり新種ナマズ 琵琶湖博物館、東海地方に生息

      20180817000193

       滋賀県立琵琶湖博物館(草津市下物町)の田畑諒一学芸技師(31)らは17日、新種のナマズ..... [ 記事へ ]

      国際

      スロベニア次期首相にシャレツ氏
      最年少40歳、コメディアン

      20180818000002

       【ウィーン共同】スロベニアの国民議会(下院、定数90)は17日、6月の選挙で第2党とな..... [ 記事へ ]