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メルカリ違法貸し付け拡大 手口巧妙、犯罪に加担も

メルカリを悪用した貸し付け例
メルカリを悪用した貸し付け例

 個人同士の物品売買を仲介するスマートフォンアプリ「メルカリ」を悪用した違法な貸し付けが、全国で相次いでいる。紙幣を額面以上の価格で販売する巧妙な手口で、先月には男女2人が出資法違反(超高金利)の疑いで京都府警に逮捕され、いずれも罰金50万円の略式命令を受けた。2人はスマホ特有の「キャッシュレス決済」などを悪用し、貸金が焦げ付くリスクを回避しながら多額の利益を上げていた。

 2人は昨年から今年にかけて、1万円札を意味する「銀貨」などの隠語を用いて紙幣を出品し、1万円札2枚を2万4750円で販売するなどしていた。顧客は支払い代金より少額の紙幣を受け取ることになり、府警はこの差額分を貸金の利息と認定した。中には法定利息の8倍に相当するケースもあった。メルカリでの紙幣販売で逮捕者が出るのは全国初で、2人は府警の調べに「皆がやっており、悪いこととは思わなかった」などと供述していた。

 メルカリでの支払いにはクレジットカードや携帯電話のキャリア決済が利用される。キャリア決済は、ネットで購入した商品の代金を電話料金と合算して電話会社に後払いする仕組みで、クレジットカードと同じようにキャッシュレスで買い物できるのが特徴だ。

 支払い代金は、信販会社や携帯電話会社からメルカリを通じ、出品者側に送金される。この仕組みを利用すれば、貸し手は借り手から直接、貸金を回収する手間が省ける上、焦げ付きを心配する必要もない。捜査関係者は「ノーリスクで高金利の貸し付けを行うことが可能で、今後、組織的な犯行につながる可能性もある」とみている。

 メルカリの紙幣出品を巡っては、秋田、千葉の両県警も先月、出資法違反容疑で2人を逮捕した。同種事件が相次ぐのは、借り手にとっても、簡単に現金を入手できるなど大きな利点があるためとみられる。

 府警が逮捕した2人の顧客は計約120人。多重債務者のほか、金融機関などから借金することが難しい学生や主婦が多かった。高校3年の女子生徒は小遣いほしさから、親に無断で携帯電話のキャリア決済を使い、1万円札5枚を約6万円で購入していた。

 府警生活経済課は「メルカリは便利な半面、利用者が抵抗感なく違法行為に手を染めたり、加担したりしてしまう恐れがある。運営会社と利用者双方に警鐘を鳴らしたい」としている。

【 2017年12月30日 22時47分 】

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