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京大患者死亡、濃度千倍の調剤ミス 検証結果公表

 京都大医学部付属病院に外来通院していた女性患者が、自宅での点滴用のセレン注射薬が高濃度となって死亡した問題で、同病院は26日、セレン注射薬を患者に渡すまでの過程で通常の千倍の濃度に調剤するミスが発生したとの検証結果を明らかにした。死因はセレン中毒だった。稲垣暢也院長は「亡くなった患者さんのご冥福をお祈りする。再発防止策に取り組む」とのコメントを出した。

 女性は昨年9月、同病院で処方されたセレン注射薬を混ぜた輸液を自宅で点滴したが容体が悪化。翌朝に同病院を受診し亡くなった。女性の血中のセレン濃度は基準値の20倍を超えていた。院内に残っていた注射薬の濃度は、処方箋通りに作った場合の千倍だった。

 同病院によると、昨年5月16日に薬剤師が院内の保管庫からセレン試薬瓶を取り出し、無菌室で水と混ぜて注射薬を作った。計量する時に単位を間違えた可能性があるが、調剤した薬剤師2人は調査に「いつも通りにやった。間違うはずがない」と話している。このうち1人はセレン試薬瓶を約1カ月後に廃棄。「試薬が古いと考えた」と説明したという。

 同病院は「昨年5月以降の保管状況で、ミスが発生した場所や時期は特定できなかった」としている。薬剤師が現在も同病院に勤務しているかは明らかにしなかった。再発防止策として、調剤時の手順書を改訂したり計測方法を改めたりしたという。

【 2018年03月26日 19時18分 】

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