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廃墟内部、壁はがれガラス片散乱 京都の元留学生寮

洗面台が備え付けられた居室は壁がめくれ、建具が取り外されている。窓の外には近隣の家屋が並び、その向こうには東山の山並みが広がる(3月18日、京都市左京区北白川西町)
洗面台が備え付けられた居室は壁がめくれ、建具が取り外されている。窓の外には近隣の家屋が並び、その向こうには東山の山並みが広がる(3月18日、京都市左京区北白川西町)

 薄暗い廊下にはガラスの破片が散らばり、壁や天井はコンクリートがはがれ落ちる。ほこりっぽい空気がよどむ。時計は止まり、戸に貼り付けられた中国の新聞「人民日報」はすっかり変色していた。過ぎ去った年月が建物を朽ちさせる。

 京都市が立ち入り調査した元中国人留学生寮「光華寮」(左京区北白川西町)。中国、台湾、日本との間で外交問題にまで発展した訴訟の舞台だ。倒壊の恐れはないのか、関係者に鍵を開けてもらい今年3月、記者が中に入った。

 真っ先に老朽化が目に付く一方、暮らしの痕跡も残る。2000年代までは居住者がいたようで、カレンダーや新聞があった。小さな居室には壁際に洗面台が備え付けられ、思い思いの風景画やポスターが掲げられる。がらんどうだが、図書室や医務室に使われた部屋もあり、集団生活の一端がうかがえる。

 「二つの中国」をめぐって半世紀以上も持ち主が定まらないが、時代の荒波の中でも留学生が日常を営んだことを建物は伝える。

【 2018年04月19日 11時49分 】

ニュース写真

  • 洗面台が備え付けられた居室は壁がめくれ、建具が取り外されている。窓の外には近隣の家屋が並び、その向こうには東山の山並みが広がる(3月18日、京都市左京区北白川西町)
  • 老朽化が進む光華寮
  • 入り口は天井が高く、階段が出迎え、モダンな雰囲気をとどめる
  • 留学生が使ったタイル張りの浴槽には、壁にできた隙間から外光が差し込んでいた
  • 廊下の両脇に各居室へのドアがある
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