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発電、建築物貸し出し…自治体自ら「稼ぐ」 京都・長岡京市

長岡京市の水道施設に設置された小水力発電装置。売電で生じた利益の一部が市へ還元される+(同市井ノ内・市北ポンプ場)
長岡京市の水道施設に設置された小水力発電装置。売電で生じた利益の一部が市へ還元される+(同市井ノ内・市北ポンプ場)

 京都府長岡京市は、2018年度から行財政改革の一環で、収入増に向け、眠っていた資源を有効活用する新たな取り組みに乗り出す。水道施設に小水力発電を導入して提携企業から売電利益の還元を受けたり、保有する歴史的建築物を民間に貸し出して賃料を得たりと、あの手この手を展開。効果は少額ながらも、厳しい財政見通しの中で、市は「自ら稼ぐ視点の必要性は、なお高まっている」とする。

 市は、16年度策定の行財政改革アクションプランで「稼ぐ力」を重視。中学校給食や市役所建て替えという大事業に加え、社会保障費の増大が見込まれる中、今年3月に示した中長期の財政見通しでは、市の貯金に当たる財政調整基金が22年度で14億円と、16年度決算額から約15億円減ると見込んでいる。

 同市井ノ内の市北ポンプ場では4月、小水力発電装置が稼働し始めた。場内の配水池へ流れ込む府営水道の水流を利用する。

 1日当たり平均で20時間超の水流が発生するといい、市は再生可能エネルギーとして着目。3年前に独自で設備導入を検討したが、採算が合わずに断念した経過があった。

 今回、専門企業との間で、市が設置場所を提供し、設備の初期投資と維持管理を企業が担う協定を交わした。売電で生じる利益を企業側と折半し、市は年間最大55万円の収入を見込む。同市天神2丁目の市東配水池でも導入可能か検証を進めている。市環境政策室は「官民連携で、環境に配慮したエネルギー生産と収入増の方策を同時に示したい」。

 同市調子1丁目の国登録有形文化財「中野家住宅」も活用し始める。市は14年、所有者の親族から土地と建物の寄付を受け、特定の行政目的を設定しない「普通財産」として管理を開始。これまで利用されることはなく、庭の草木の剪定(せんてい)や警備経費などで維持管理に年間約250万円を支出していた。

 民間から活用のアイデアを募った結果、障害者就労支援団体が今秋から、近郊農家と町家の特徴を併せ持つ赴き深い風情を生かして飲食店を運営することに。市が同団体から1年間で約200万円の賃料を受け取り、改修や維持管理の費用は団体側が負担する。

 市の普通財産の長期貸し付けは初のケースといい、市公共施設再編推進室は「市民サービスの向上やまちの魅力アップという付加価値を生み出す一石二鳥、三鳥の取り組みになれば」と見据える。

【 2018年04月21日 13時04分 】

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