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「近年の豪雨で検証を」 大戸川ダム勉強会で治水専門家

大戸川ダムの治水効果を検証するため発足した勉強会の初会合(大津市、県庁)
大戸川ダムの治水効果を検証するため発足した勉強会の初会合(大津市、県庁)

 国が建設を凍結している大戸川ダム(大津市)の治水効果を検証する滋賀県の勉強会が30日、大津市の県庁で発足し、初会合を開いた。治水の専門家からは、洪水被害が頻発する近年の雨の降り方や土砂流出、流木などを考慮した検証を求める意見が出された。

 県は下流の河川整備の進み具合を踏まえ、大戸川流域に与える治水効果や国の瀬田川洗堰(大津市)操作に与える影響について検証した上で、県や下流府県が凍結に導いた2008年の4府県知事合意の見直しも視野に、ダムに対する立場を明確にする考えだ。

 顧問の中川博次京都大名誉教授は、大戸川ダムが下流の天ケ瀬ダム(宇治市)の貯水容量を補う機能を持つことから、天ケ瀬ダム再開発後の操作も含めた効果の検証を求めた。「天ケ瀬ダムは淀川の安全度を決定させる重要な施設。大戸川ダムの建設時期を議論してしかるべきだ」と述べた。

 座長の寶馨(たからかおる)京都大大学院教授は、15年の関東・東北豪雨や昨年の九州北部豪雨などを踏まえ、次々と雨雲が発生する「線状降水帯」を想定した備えの必要性を指摘。角哲也京都大防災研究所教授は「豪雨が2度続く場合がある。下流への流量の時間的変化を考慮すべきだ」と述べた。

 三日月大造知事は「今を生きる県民や将来にとっても重要なテーマ。できるだけ早く客観的に検証することが肝要だ」と述べた。

 流域住民や建設「凍結」を合意した嘉田由紀子前知事ら約70人が見守った。

【 2018年05月30日 23時03分 】

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