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京都に観光公害の懸念 違法民泊で深夜侵入、売春客引き…

福島さんの自宅の玄関ドアには「民泊ではありません」との注意書きが貼られている(京都市南区)
福島さんの自宅の玄関ドアには「民泊ではありません」との注意書きが貼られている(京都市南区)

 訪日ブームで京都市内に宿泊施設が急増し、市民生活に大きな影響が出ている。不動産業者がホテルや簡易宿所などに転用するため、借家の住民を追い出すケースが相次ぐ。住宅街の宿泊施設などを使った売春目的とみられる外国人の客引きや、観光客が民泊と誤って自宅に侵入する事例もみられ、「観光公害」と呼ばれる負の側面への懸念が強まっている。民泊の営業が公的に可能となる15日の住宅宿泊事業法施行を前に、あらためて京のまちを歩いて実情を探った。

■「この家は民泊ではありません」

 京都駅に程近い南区東九条地域。ホテルやゲストハウスが集中し、キャリーバッグを持った外国人観光客の姿が目立つ。看板やのれんのない普通の民家に入っていく観光客もいた。後で調べてみると、旅館業法に基づく届け出をしていない「違法民泊」だった。

 そばの民家の玄関ドアに、ふと目が止まる。「この家は民泊ではありません」。英語や中国語などで書かれた注意書きが貼られていた。

 住人の建設業福島和男さん(73)に話を聞くと、近所の宿泊施設と間違えたのか、外国人観光客が深夜に呼び鈴も鳴らさず自宅に上がり、たたき起こされたことが何度かあったためという。周辺の民家でも同様の事例があり、町内会が注意書きを作り全戸配布した。

 近所では70代の男性が今年2月の未明、日課の散歩に出掛けようと自宅を出た時、若い外国人女性に声を掛けられた。急に腕を組まれた上に、「エッチ好きですか」などといやらしい言葉を浴びせられたため、「ノー!」と大声で叫んで突き放した。売春目的の客引きではないかという。

 「民家が宿泊施設に変わり、地域のつながりが希薄になってしまった。いつかひどい犯罪が発生するんじゃないかと不安」。福島さんは治安の悪化を嘆く。

【 2018年06月08日 12時20分 】

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