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社説:人口減過去最大  少子化の根本原因探れ

 減っていく人口を東京圏が吸収する-。そんないびつな構造が、さらに顕著になっている。

 今年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査で、国内の日本人は9年連続で減少した。

 減少幅は前年に比べて37万4千人と、過去最大を更新した。

 一方、昨年1年間の出生数は過去最少の94万8千人で2年続けて100万人を割っている。出生数が死亡数を下回る自然減も、11年連続となっている。

 それなのに、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の人口は増加し、全人口の28・31%が居住している。京滋など41道府県で減っているのとは対照的だ。

 政府が是正に取り組む「東京一極集中」は、逆に強まっている。その要因も、出生数が増えたのではなく、転出より転入が多かったためだ。地方から人を吸い上げる形で東京圏が肥大化している。

 生半可な対策では、この流れを止めることはできない。東京23区の大学の定員増を10年間禁止する法律が施行されたが、地方大学の授業料減免や企業移転の奨励など人の流れを抜本的に変える大胆な政策転換が必要ではないか。

 出生率の低い東京圏での人口拡大が将来的に深刻な高齢化のひずみをもたらすと指摘されていることにも留意すべきだろう。

 今回の調査では、人口に占める65歳以上の割合が増え、14歳以下の2倍を超えた。社会の担い手が不足する懸念がさらに強まった。

 保育料の一部無料化や住宅購入補助などで若い世代の定住を促す自治体もあるが、流れを変えるような効果にはつながっていない。

 都市部での待機児童問題や長時間労働、非正規従業員の増加など子どもを産み育てる環境が整っていない現状がある。ここに切り込まなくては、人口減少の根本的対策にはならない。

 留学生や技能実習生など住民登録している外国人も、長崎県を除く46都道府県でプラスとなった。

 政府は先ごろ、新たな外国人労働者の受け入れ拡大策を決めており、増加は今後も続く見通しだ。

 少子化で足りなくなる働き手を外国人で補おうとの狙いだが、東南アジア諸国も出生率が低下しており、労働力を永続的に確保できる見通しではないともいわれる。

 人口減少が進む中、自治体同士で人を奪い合ったり、外国人に依存したりするのは対症療法にすぎない。少子化が常態化した原因をしっかり検証し、長期的視点に立った対策が求められる。

【 2018年07月13日 11時40分 】

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