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部活の熱中症防げ、グラウンドに水風呂 食事や睡眠チェックも

水風呂に入り、体温を下げるラグビー部員たち(京都市左京区・洛北高)
水風呂に入り、体温を下げるラグビー部員たち(京都市左京区・洛北高)

 厳しい暑さが続く中、京都の中学、高校が部活動での熱中症対策に力を入れている。こまめに水分を補給するなど基本的な対策を徹底しているほか、「水風呂」をグラウンドに用意する運動部も。食事や睡眠時間、体重の変化を記録して指導に生かす取り組みもある。専門家は、個々の生徒や環境に応じた対応と、湿度対策、計画的な練習が重要と訴える。

 「水入れようか」。24日夕方、京都市左京区の洛北高。練習の合間にラグビー部3年児島和虎主将(18)が部員に呼び掛けた。水分補給後、5~10分練習すると、再び給水。児島主将は「いつもよりもこまめに水分をとっている」と話す。

 グラウンドには、容量150リットル余りの容器を使った水風呂を用意し、整理運動を終えたり、体温が高かったりする部員をつからせている。監督の井上善貴教諭(47)は「体温を下げないと体の深部に熱や疲れが残り、翌日以降の熱中症リスクが高まるので」と狙いを語る。汗で失われる塩分やカリウムなどのミネラルを補給するための錠剤も全員にとらせている。

 体調管理を徹底する部もある。西京区の桂川中は全校生徒に栄養や睡眠を十分に取り、活動時間が長くならないように呼び掛けた。

 陸上部では練習前、部員同士で朝食や睡眠時間について報告し合っている。男子主将の3年前田由さん(14)は「みそ汁を食べたら『塩分はとれている』、午前0時以降に寝た人は『注意が必要』と、具体的に聞いてアドバイスしている」。その内容は体重の変化とともにノートに記し、顧問の信夫(しのぶ)規子教諭(36)がチェックする。信夫教諭は「急に体重が減っている生徒は、水分が足りていない恐れがある」と話す。

 京都府と京都市の両教育委員会によると、部活動以外も含め、熱中症の疑いで救急搬送された公立学校の児童生徒は5月の4件20人、6月の3件6人から、7月は42件47人(25日現在)と急増している。両教委は各校に熱中症対策の徹底を呼び掛け、高温注意情報が発表された場合にメールで周知するなど警戒を強めている。

 立命館大の細川由梨講師(運動生理学)は「発汗量は個人差があり、補給する水分量は個別に把握してほしい。練習の前後や間だけでは不十分で、尿の色やのどの渇きを参考に一日を通じて体内水分量の管理が必要だ」と指摘する。海外では高校生が水の飲みすぎで重度の低ナトリウム血症を起こして死亡した例があるといい、「あくまで『適切』な体内の水分量を保つべきだ」と強調する。

 また「湿度が高いほど汗が乾きにくく、熱が体にこもりやすい。室内で行う文化部も、冷房を使うか練習場所の風通しを良くするとよい」という。その上で「練習計画を丁寧に立て、体に急激な負担をかけないようにしてほしい」と訴える。

【 2018年07月26日 12時22分 】

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