出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

空振り20回も「続けて良かった」  京都、早めの避難で命救う

旭町を襲った土砂崩れ。右端の下から3棟目がてるみさんの家(7日、小型無人機で撮影)=綾部市提供
旭町を襲った土砂崩れ。右端の下から3棟目がてるみさんの家(7日、小型無人機で撮影)=綾部市提供

 西日本豪雨による京都府綾部市旭町の土砂崩れで、91歳の女性が家が全壊する2日前に避難し、命が助かった。救ったのは、大雨のたびに女性を早めに避難させていた家族の行動。7日未明に記録的豪雨が降ると予期していた。

 「あの家にいたら母が危ない」。池田(旧姓・岩崎)静子さん(64)は5日午後、西日本各地を襲い始めた記録的豪雨のニュースを見て胸騒ぎがした。「綾部でも降るかもしれない」。長女(25)に頼んで、山間地の旭町に1人で住む母・岩崎てるみさん(91)を車で迎えにいってもらい、5日夕、街中にある綾部市大島町の自宅に避難させた。

 雨は6日午後、小康状態に。てるみさんは「たいしたことない。(旭町に)帰る」と言い始めた。「帰ってはダメ。綾部の雨はこれから本番」。池田さんは引き留め、1泊させた。テレビニュースは発達した雨雲が列をなす「線状降水帯」が広島県に甚大な被害を与えていると報じていた。

 7日未明。綾部市内の天気は一変した。3時間で150ミリの記録的豪雨が襲った午前3時半ごろ、旭町に残っていた住民らは「ゴォー」というごう音を聞いた。集落正面の山が高さ約50メートル、幅約50メートルにわたって崩落。押し寄せた土砂はてるみさんの家を突き破って寝室に達した。市内最大の土砂崩れだった。てるみさんは「あそこにいたら死んでいた」とふり返る。

 実は池田さんがてるみさんを早めに避難させたのは今回が初めてではない。旭町では同じ現場で5年前にも同規模の土砂崩れが発生し、てるみさんの家の手前まで土砂が迫ったことがあった。池田さんは以来、雨雲の動きをニュースでチェックし、台風や大雨のたびに自宅に連れ出していた。

 5年間で避難は20回を越え、今回までは「空振り」だった。だが、池田さんは言う。「5年前の土砂崩れを目の当たりにしなかったら、まめに避難させなかったかもしれない。でも、今は未経験の雨が降る。人ごとではなく、自分や家族に危険が起こりうると考え、行動を起こすことが大事では」と。

【 2018年08月05日 11時30分 】

ニュース写真

  • 旭町を襲った土砂崩れ。右端の下から3棟目がてるみさんの家(7日、小型無人機で撮影)=綾部市提供
  • 母のてるみさん(左)と避難当時をふり返る池田さん=綾部市内
岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

    地域の政治・社会ニュース

    全国の政治・社会ニュース