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京都・日吉ダム満杯、雨次第で被害も 西日本豪雨で報告会

運用開始以来初めて、上部の非常用放流ゲートを開放した日吉ダム(南丹市日吉町)
運用開始以来初めて、上部の非常用放流ゲートを開放した日吉ダム(南丹市日吉町)

 7月に発生した西日本豪雨に関する調査速報会が9日、大阪府吹田市の関西大千里山キャンパスで開かれた。桂川上流の日吉ダム(京都府南丹市)の放水量調節が浸水被害の軽減に効果があったものの、雨の降り方によっては大きな被害が出ていた可能性や、京都府北部などの土砂崩れや洪水被害の被害状況が報告された。

 速報会は、土木学会関西支部や地盤工学会関西支部など5団体が初めて立ち上げた関西調査団が開いた。

 西日本豪雨は、活発な梅雨前線の影響で24時間や48時間でみると観測以降最大の降水量を各地で記録。強い雨のピークが繰り返しあったことや、各地の被害が時間差で発生したことが報告された。

 日吉ダムについて調査した京都大防災研究所の角哲也教授は、ダム流入量が7600万立方メートルと有効貯水量(5800万立方メートル)を大きく超えていたといい、「(満杯を避けるため、流入量と同量を放水する)異常洪水時防災操作は不可避だった。降水のピークがもう一度あれば、大きな被害が出た可能性がある」と指摘した。今回は河川改修と併せ、浸水被害を抑えるダムの効果が確認できたが、今後の課題としてダムの機能強化とともに、降水量予測に基づく事前放流の精度向上などの対策を挙げた。

 福知山市大江町の由良川の支流で起きた洪水被害について、岡山県倉敷市真備の状況に近いという指摘や、3人が亡くなった綾部市の土砂崩れについて、長雨で多量の水を含んだ斜面に短時間に強い雨が降ったことが原因とする報告などがあった。

 調査と分析は継続中で、得られた情報は復旧施策や防災・減災の技術的な課題などに活用していくという。

【 2018年08月09日 23時10分 】

ニュース写真

  • 運用開始以来初めて、上部の非常用放流ゲートを開放した日吉ダム(南丹市日吉町)
  • 西日本豪雨がもたらした近畿地方の被害状況が報告された速報会(大阪府吹田市・関西大)
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