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サンガ、降格すれば府民負担増? 京都スタジアム収支に暗雲

JR亀岡駅(左端)の近くで着々と建設工事が進む「京都スタジアム」(仮称)。サンガの成績低迷で公費負担の増加が懸念されている(京都府亀岡市)
JR亀岡駅(左端)の近くで着々と建設工事が進む「京都スタジアム」(仮称)。サンガの成績低迷で公費負担の増加が懸念されている(京都府亀岡市)

 京都府亀岡市で球技専用の「京都スタジアム」(仮称)を建設中の京都府が、サッカーJ2で最下位に沈む京都サンガFCの現状に気をもんでいる。J3に降格すれば入場者数の低迷が予想され、完成後の収支見通しが崩れるためだ。運営費の公費負担増を招く可能性もあり、2020年春の完成前に、スタジアムの必要性が再び問われかねない。

 スタジアムの総事業費は167億円(うち20億円は亀岡市負担)で、約2万1600席を確保する。サンガがホームゲームで使用する予定だ。府はサンガの02~16年の平均入場者数約8500人をベースに、他都市の実例から球技専用スタジアムの効果を踏まえ、完成後は1万人に増えると想定した。サンガから受け取る利用料を「入場料収入の15%」に設定し、年間6千万円の収入を見込む。

 試算通りなら運営赤字は年間2500万円程度に抑えられ、「命名権(ネーミングライツ)売却やテナント収入などで収益を上げれば、黒字化も夢ではない」(府文化スポーツ部)と、そろばんをはじいていた。

 しかし、J3に降格すれば、試算は絵に描いた餅になる。昨年のJ2全チームの平均入場者数は約7千人だが、J3は約2600人に落ちるため、降格すれば想定していた「1万人」は現実的とはいえない。今年、サンガのホームゲームの平均入場者数は昨年より千人以上少ない約5300人(15日現在)。スタジアム運営の赤字は府民の税金で穴埋めすることになる。

 最近、関係者でささやかれている言葉が「ギラヴァンツ北九州の悪夢」。北九州市は当時J2だったギラヴァンツのJ1昇格を期待し、17年2月に球技専用スタジアムを約100億円かけて整備した。ところがギラヴァンツは16年にJ2で最下位となり、新スタジアムの完成をJ3で迎えることになった。

 この結果、1試合7千人の想定だった平均入場者数は昨年約6千人、今年も約4300人と低迷し、市には年間5500万円の赤字が重くのし掛かっている。市は「市民から『J3のチームのためになぜ巨額の予算をつぎ込んだのか』と厳しい声が相次いでいる」と嘆き、今年からギラヴァンツへの補助金を6千万円から5千万円に減額した。

 また府は、スタジアム建設費の財源として個人から寄付を募っている。11年には建設を求める48万人の署名が集まったが、今年7月末時点で92人からの430万円にとどまる。成績低迷も理由とみられ、府庁内からは「サンガやサポーターにもっと協力してほしい」との声も上がる。個人・企業で計20億円の目標に届かない場合、建設費でも税負担が大きくなるためだ。

 府文化スポーツ部の山本敏広理事は「コンサート誘致などで財政への影響を最小限に抑えたい。サンガには、J2残留は当然として、早期のJ1昇格や営業努力で観客数増をお願いしたい」と語気を強める。

 J2(22チーム)は下位2チームがJ3に降格する。サンガは17日現在、6勝17敗4分の最下位。成績が府民負担の増減に大きく影響するだけに、サポーターだけでなく、府職員も試合結果に一喜一憂する日々が続きそうだ。

【 2018年08月18日 08時10分 】

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