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がん検診受診率、京都で低調 新ポスターでPR強化

京都市が作製したがん検診のPRポスター。医療機関によって受診可能な検診の種類が異なるため、ポスターにシール(手前)を貼って伝える
京都市が作製したがん検診のPRポスター。医療機関によって受診可能な検診の種類が異なるため、ポスターにシール(手前)を貼って伝える

 京都市が実施するがん検診の受診者数が伸び悩んでいる。男性は肺、大腸、胃の三つのがん、女性は子宮頸(けい)がんと乳がんを加えた五つのがんを1日で割安に検査できる「セット検診」が定員に達したのは過去10年間で半分にも満たない。女性対象の無料クーポン券の利用も低迷しており、市は新たにポスターを作製してPRを強化している。

 2種類以上を組み合わせるセット検診の対象は40歳以上の市民(胃がん検診は50歳以上)で、2007年度から行っている。がん検診は治療目的ではないため健康保険の対象外で、例えば胃がんのエックス線検査は約5千円の自己負担が必要。市の検診は1千円で、肺がんのエックス線検査も通常は2千円だが無料で済む。差額は市が負担する。

 しかし、過去10年のうち6年はセット検診の申し込みが定員に達していない。定員を3千人台から4100人に増やした17年度も61・2%だった。市は「セット検診があることや、自己負担が軽くすむことを知らない人が多い」と周知不足を理由に挙げる。

 無料クーポン券は、当該年度中に20歳を迎える女性の子宮頸がん検診と、40歳になる女性の乳がん検診で送付しているが、近年の利用率は一桁から10%台にとどまる。

 被雇用者の場合、がん検診が職場の健康診断や会社が補助する人間ドックなどに含まれるケースもあるが、自営業者や仕事に就いていない人らは市の検診が有効という。そのため市は市内の国民健康保険世帯に「がん検診ガイド」を毎年郵送しているが、効果は上がっていない。

 市は本年度、市内などのがん検診指定医療機関810カ所にポスターを配るなど、「早期発見につながる検診に関心を持ってほしい」と呼びかけている。

 セット検診は本年度も市内5会場で定員計4200人分を用意しており、11月~来年3月分はまだ受け付けが可能という。70歳以上や住民税非課税世帯などは料金免除もある。問い合わせは京都いつでもコール075(661)3755。

■京都府は全国値以下も

 がんは日本人の約2人に1人が一生のうちにかかり、3人に1人が死亡する国民病だ。しかし、国が2015年の達成を目指したがん死亡率(高齢化の影響を除く)の20%減少は実現できず、検診の受診が想定通り進まなかったことが要因の一つに指摘される。主な5種類のがんに関する検診受診率は、京都府内でも目標値に達していない。

 がん検診は、市町村が健康増進法に基づいて住民を対象に行っているほか、企業や健康保険組合が従業員らを対象に実施したり、個人が健康管理のため病院で自ら受けたりとさまざまな形態がある。

 これらを合わせた受診率について、国は胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんのそれぞれで16年度までに50%に引き上げる目標を設定していたが、結果は34~46%にとどまった。同様の目標を掲げる京都府も未到達で、胃がん、肺がん、大腸がんは全国値を下回った。

 内閣府が行ったがん対策に関する世論調査では、がん検診を受けない理由として「受ける時間がない」が最多だった。このため京都府は働いている人も受診しやすいよう、市町村が休日にセット検診を実施する事業に13年度から補助金を出しており、17年度は府内26市町村のうち10市町が利用した。

 府は受診率50%の目標時期を23年度に先送りしており、「コンビニ駐車場での検診実施で市町村とコンビニを仲介するなど、検診を受けやすい環境を整えて目標を達成したい」としている。

【 2018年08月30日 11時56分 】

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