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今年の台風なぜ多い? 海面水温高さや季節風強さが影響

今夏の気象状況
今夏の気象状況

 台風が例年より多いように思えます。小学生の時に室戸台風を経験し、その後の伊勢湾台風も強く記憶に残り、とても心配です。過去にどんな被害があったのかも合わせ、詳しく知りたい―京都府亀岡市の94歳女性から、こんな質問が寄せられた。記者が調べてみた。

 記録的な猛暑に加え、自然災害も相次いだ今夏。京都市で観測史上2番目の最大瞬間風速39・4メートルを記録した台風21号を始め、9月までに3回、台風が近畿地方を通過した。平成に入ってから2004年(4回)に次いで2番目タイの多さとなっている。

 気象庁が統計を取り始めた1951年以降、9月末までの平年発生数は18・5だが、今年はすでに23号まで発生した(20日現在)。5日連続(8月12~16日)で発生したのは史上初という。近畿地方には12号(7月29日)、20号(8月23、24日)、21号(9月4日)が直撃し、特に21号は滋賀県で2人が死亡、京都でも寺社などに甚大な被害が出た。

 なぜ、こんなに多いのか。京都地方気象台に聞くと、海面水温の高さと季節風の強さ、太平洋高気圧の一時的な後退の三つが影響した、という。

 台風が発生する赤道北側の北西太平洋の海面水温は平年よりも0・5度ほど高く、上昇気流で積乱雲が発達しやすくなった。さらにフィリピン西方から吹く季節風が平年より東の太平洋上まで吹き、太平洋高気圧の縁を回る風の影響を受け、反時計回りの対流ができやすくなり、台風の発生件数が増えた、という。

 また夏は太平洋高気圧に覆われるため、近畿地方への上陸は多くない。しかし、関東地方に向けて北上していた12号は日本海側の高気圧にブロックされて近畿へと西進する「逆コース」をたどり、20、21号は「台風が接近すると一時的に高気圧が東側へ引っ込み、近畿に北上する台風の道ができてしまった」(太田貴郎・京都地方気象台防災管理官)という。

 7月の西日本豪雨では京滋6人を含む計230人の死者・行方不明者が出て、京都府北中部では大雨特別警報が出た。京都では2013年9月の台風18号でも発表され、「50年に1度」の大雨が6年で2回降ったことになり、地球温暖化の影響も指摘されている。84年前の9月21日は、京都、滋賀で計294人が亡くなった室戸台風が襲った日。豪雨や暴風への備えをいま一度、確認したい。 

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【 2018年09月25日 12時04分 】

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  • 今夏の気象状況
  • 台風21号の強風で木が傾き、物が飛んできた烏丸通(9月4日午後2時42分、京都市下京区・烏丸通五条)
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