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強制不妊、知的障害者団体が全国調査へ 情報提供求める

 疾患や障害を理由に旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術が繰り返された問題で、知的障害者と家族でつくる民間団体「全国手をつなぐ育成会連合会」(大津市)は、実態を把握する初めての全国調査に乗り出す。被害の全容が見えない同問題で、一人でも多くの救済につなげるのが目的。各都道府県にある育成会に相談窓口を10月上旬にも設置する方針で、情報提供を呼び掛ける。

 厚生労働省の集計によると、全国で少なくとも2万4993人が同法に基づく不妊手術を受けたが、個人が特定できる資料は各都道府県に3033人分しか現存していない。超党派議員連盟など国会の一部で救済法案作成の模索が続くなか、被害認定の在り方が論点の一つになっている。

 同連合会によると、知的障害者本人に被害の自覚がなく、家族が触れてほしくない可能性も想定されることから、詳しい調査方法は今後検討する。機関誌「手をつなぐ」でも情報提供を求める。本年度内に結果をまとめ、ホームページで公表する。

 同連合会では草創期の1950年代の機関誌で、親からの「困りごと相談」に応じ、同法に基づく不妊手術を選択肢として紹介したことがあるという。田中正博統括は「会誌を発行した立場から言うと、総括していなかった。過去は過去として一区切りつけて、障害者の権利擁護に向けて取り組みたい」と話す。

 当事者団体による実態調査では、聴覚障害者の全国組織「全日本ろうあ連盟」が6月、被害者や家族から手話で被害を聞き取り、京都など少なくとも11道府県の男女70人が断種や人工妊娠中絶を強いられた可能性があるとの中間まとめを公表している。

【 2018年09月26日 11時23分 】

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