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脳死時の臓器移植、事前に意思表示を 7日に京都で国民大会

事務局長を務める京都腎臓病患者協議会で、「生きている証しをドナーに見てもらうつもりで活動している」と語る岩井浩さん(京都市上京区)
事務局長を務める京都腎臓病患者協議会で、「生きている証しをドナーに見てもらうつもりで活動している」と語る岩井浩さん(京都市上京区)

 第20回臓器移植推進国民大会(厚生労働省、京都府など主催)が7日、京都市で開かれる。1997年の臓器移植法施行以降、家族の承諾があれば提供可能となる改正も行われたが、移植を希望する待機患者の解消にはつながっていない。初の京都開催を前に、移植を受けた経験者は「提供に賛同か拒否かを問わず、事前の意思表示が広がってほしい」と呼び掛ける。

 岩井浩さん(56)=京都市中京区=は2006年、膵(すい)臓と腎臓の同時移植を京都府立医科大付属病院で受けた。国内41例目の脳死臓器移植だった。中学1年の時に膵臓がインスリンをうまく作れない小児糖尿病を患い、32歳で糖尿病由来の慢性腎不全にかかった。

 移植によって11年ぶりにトイレで排尿でき、週3日の人工透析もインスリン注射も要らなくなった。感染症による壊死(えし)や、体調が悪化するたび考えた死への恐れから解放されたという。

 臓器提供者(ドナー)の詳細を知ることはできないが、「大阪の病院にいた同じ世代の男性」と伝え聞いている。ドナーや遺族の思いにどう向き合うか。同じ移植経験者と話し合うことはあるが、今も答えは出ない。ただ、「気持ちを沈ませることだけはやめよう。感謝を忘れず、いただいた臓器を良好な状態で維持して元気でいよう」。1日7キロのウオーキングを欠かさず、昨年は北アルプス登山も実現した。

 待機患者の9割を占め、都道府県別データが公表されている腎臓では、府内の2017年の待機患者は224人だが、府内での実施は3件。法施行時から年数件と横ばいが続く。

 「移植医療が進んでほしい思いはあるが、制度を理解してもらうことが先だ」と岩井さんは指摘する。事前の意思表示がなければ、遺族が重い決断を迫られることもある。「当たり前のように、運転免許証や健康保険証に意思を示す時代になってほしい」

 大会は7日午後1時から上京区の同志社大寒梅館で。心臓移植を待つ高校教員や就活指導を行う企業の担当者が、若者に向け意思決定の大切さをテーマに意見を交わす。臓器にちなんだ科学体験などもある。事前申し込み不要で、無料。問い合わせは府健康対策課075(414)4725。

【 2018年10月05日 12時31分 】

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