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虐待疑い、特養側刑事責任なし 京都府警、暴力確認されず

京都府が業務上過失傷害容疑で刑事告発していた特別養護老人ホーム「安寿の里」(2月16日、宮津市由良)
京都府が業務上過失傷害容疑で刑事告発していた特別養護老人ホーム「安寿の里」(2月16日、宮津市由良)

 京都府宮津市由良の特別養護老人ホーム「安寿の里」の入居者が職員から虐待を受けたとされる問題で、京都府から業務上過失傷害容疑で告発を受けた府警捜査1課と宮津署が、施設職員の暴力や過度な不注意によって入居者がけがを負った事実は確認されず、施設側の刑事責任を問うことはできないと結論づけたことが14日、関係者への取材で分かった。

 同施設を巡っては、府が2月16日、入居者1人が虐待を受け、ほかの入居者16人も虐待の疑いがあるとして、運営する社会福祉法人「香南会」(高知県香南市)に介護保険法に基づく改善勧告を出したと発表した。府は同日の記者会見で、骨折や打撲など不自然なけがをしている入居者がいると説明。施設の複数の職員が虐待に関与した疑いがあり、傷害と暴行容疑での刑事告発を検討していることを明かした。

 府はその後、2月4日に骨盤を骨折した90代女性に対する業務上過失傷害容疑で、氏名不詳の職員を府警に告発した。

 府警は、施設の介護職員らから事情を聴くなど虐待行為の有無を捜査。関係者によると、女性のけがは加齢や体質などによるもので、他の入居者に対しても、職員が暴力を振るったり、過度な不注意から介助を失敗したりして、けがを負わせた事実は確認されなかったという。

 運営法人の橋本信一理事長は「捜査結果は当然という認識でいる。しっかりと調査せずに告発に至った府の姿勢は理解に苦しむ」と話した。府介護・地域福祉課は「当時の調査が十分だったとは言えないが、高齢者虐待防止法に基づいて適切に判断した」としている。

【 2018年10月15日 09時24分 】

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