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ホームレス支援施設の運営者が決定 京都市、伏見区に民設民営

京都市におけるホームレス支援の流れ
京都市におけるホームレス支援の流れ

 京都市が進めているホームレス支援施設の見直しで、廃止する更生施設「市中央保護所」(下京区)に代わる新施設の運営事業者が社会福祉法人「みなと寮」(大阪府河内長野市)に決まった。みなと寮は保護所の機能を継承し、2020年度に救護施設(伏見区羽束師)を開設する。

■新施設は定員倍に

 市中央保護所は生活保護法に基づく更生施設で、ホームレスらが生活保護を受けつつ居宅生活や自立を目指して生活訓練を行っている。近年はホームレスが高齢化し、障害など入所理由も多様化しているため、市は16年、介護・医療にも対応できる救護施設への移行を決めた。財政負担の軽減も図るため、新施設は民設民営に改め、6月に事業者を公募した。

 この結果、17年度から市中央保護所の指定管理者を務め、救護施設の運営実績もあるみなと寮を選んだ。みなと寮は、伏見区羽束師に施設を整備する計画で、倉庫跡地約3400平方メートルを取得した。

 市中央保護所の定員は更生施設30人、緊急一時宿泊施設20人だったが、新施設は介護・医療が必要な人にも対応するため、救護施設60人、緊急一時宿泊施設40人とそれぞれ倍増する。

 市内には現在、一定の介護や医療が必要なホームレスの支援施設がなく、対象者は京都府の救護施設「洛南寮」(京田辺市)などに入所していた。市保健福祉局は「新施設では幅広い人の受け入れが可能で、多様化する課題にも柔軟に対応できる」としている。みなと寮は「地元住民には早期に説明して理解を得たい」としている。

■入所者が抱える課題多様化

 京都市内のホームレスらが入所する更生施設「市中央保護所」では近年、障害者や対人関係に不安を抱える人、刑務所の出所者らも増え、対応が課題となっている。

 市が毎年目視で行っている市内のホームレス概数調査によると、2003年は624人だったが、08年は383人に大きく減った。その後も減少が続き、今年1月は53人となっている。

 市は「08年の米リーマン・ショック時に派遣労働者や非正規雇用者らのホームレスが増えたが、その後は景気回復によって減っている」と分析する。市中央保護所の入所者でも路上生活を経験したホームレスが減っているという。

 一方で、市中央保護所の入所者が抱える課題は多様化している。市福祉事務所が支援方針を決めた人の課題を見ると、17年度は「就職や仕事定着の困難」が9%、「債務」も8%にとどまった。

 逆に目立つのは「障害やメンタルの課題」(20%)、「病気・けが」(18%)で、「刑務所の出所者」も9%いた。市中央保護所の指定管理者、みなと寮の担当者は「対人関係や生きづらさなど生活面で課題を抱える人が増え、障害などとの複合的な困難を抱える場合もある」と話す。

 市中央保護所が2020年度に移行する救護施設も、日常生活を送るのが困難な生活保護受給者を幅広く受け入れる。大阪府内ですでに救護施設を運営しているみなと寮によると、精神障害者に加え、同居していた親が亡くなって経済的に困窮した引きこもりの人も入所し始めているといい、「京都市の新施設も、地域福祉の最後のセーフティーネットになれば」としている。

【 2018年10月28日 15時50分 】

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