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尊厳死と終末期医療法制化に危惧 ALSの医師ら緊急集会

アドバンス・ケア・プランニングの問題点をALS患者として、医師として報告する竹田さん(中央)=東京都千代田区・憲政記念館
アドバンス・ケア・プランニングの問題点をALS患者として、医師として報告する竹田さん(中央)=東京都千代田区・憲政記念館

 終末期医療を規定する法制化を一部の国会議員が目指していることに対し、尊厳死法制化に反対してきた全国脊髄損傷者連合会など障害者団体や難病患者団体らが28日、東京都千代田区の憲政記念館で緊急集会を開いた。「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)という考え方を取り入れた最近の推進派の動きに、武見敬三氏ら自民党の国会議員4人が出席し、「安易な法制化はやってはいけない」などと述べた。

 ACPとは、「延命治療をしない」といったリビング・ウイル(書面による意思表示)と異なり、患者の気持ちが病状によって変わりうることを踏まえ、家族や介護職、医療関係者らと繰り返し対話して治療方針の合意形成を図る考え方。今年3月に厚生労働省が改定した終末期医療の指針(ガイドライン)でも取り入れられた。

 集会では、ACPは危ういと、人工呼吸器を使って暮らす重度障害者から指摘が相次いだ。

 東京大付属病院などに勤務してきた医師で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した竹田主子(きみこ)さん(48)は、全身が動かなくなり発声もできなくなった経緯や、福祉制度をまったく知らない医師に病名告知された当時の絶望、人工呼吸器を装着して育児し仕事もする現在を語り、「延命治療というが、障害者にとって人工呼吸器や胃ろうは眼鏡と同じで、補う道具。ACPは、本人が障害を受容できず絶望しているタイミングだと、本人を追い詰め、正当な治療を受ける権利を奪う可能性がある」と述べた。

 また参加者から、24時間ヘルパー派遣が可能な「重度訪問介護」の充実を求める声や、「みんなで治療方針を決めると、本人が生きたいと方向転換したくても、言いにくくなる」との懸念の声があった。

【 2018年11月28日 11時00分 】

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