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増える待機児童、保育士不足響く 「潜在待機」も増、対策急務

京都市の待機児童数
京都市の待機児童数

 京都市の昨年10月1日時点の待機児童が8年ぶりに増加に転じたことがこのほど分かった。市は保育施設の新設や定員拡大を後押ししているが、利用申し込みが想定以上に増えたことが影響したという。市は4月1日時点では5年連続で待機児童ゼロを達成し、10月時点でも2019度のゼロを目標に掲げているが、保育士不足などから見通しは厳しさを増している。

 京都市の10月1日時点の待機児童が増えた背景には、市内の保育施設で保育士の確保が難しい実情がある。希望する保育施設に入れずに利用を諦めるといった「潜在的待機児童」も増えており、対策が急務となっている。

 潜在的待機児童は、兄弟姉妹で同じ施設を望む場合や、3歳児から別施設に移る必要がある小規模保育事業所を希望しないケースで、10月は前年同期比174人増の1187人。5年連続でゼロとなっている4月でも、潜在的待機児童は400人台で推移している。

 潜在的待機児童を抱える下京区の会社員女性(37)は昨年10月の職場復帰を目指していた。5月生まれの長男を保育園に入所させようと自宅から徒歩圏内の施設や通勤で使う駅から近い3施設に申し込んだが、いずれも満員などの理由で入れなかったという。

 神戸市内の勤務先まで通勤で2時間かかる。女性は「長男はまだ自転車に乗せて送迎できないため、自宅や駅の近くの保育園でなければ仕事を続けるのは難しい」と話し、復帰時期を今年4月まで延期した。

 保育施設の定員を増やすには保育士の確保が不可欠だが、状況は厳しい。市によると、京都府内の保育士の有効求人倍率は2013年度に0・79倍だったが、17年度は2・53倍に跳ね上がった。市内でも保育士を確保できずに児童の受け入れを断り、定員割れしている保育園があるという。昨年9月に大津市が保育園の就職説明会を京都市内で初めて開くなど、人材の獲得競争も激化している。

 京都市は保育士配置基準を国より手厚くしているため、他都市よりも多く保育士を確保する必要がある。一般的に保育士は低賃金で拘束時間が長いとされるが、市子ども若者はぐくみ局は「市の単費を投入して全国平均の1・4倍の年収を確保している」と強調する。

 来年度から学生や潜在保育士が複数の民間保育園を見学できる就職支援事業を始めることなどを検討し、対策を強化する方針だ。

【 2019年01月03日 08時30分 】

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