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議事録作らず、一部紛失… 滋賀県公文書、ずさんな管理

滋賀県庁(大津市)
滋賀県庁(大津市)

 滋賀県が、知事や部長ら県幹部による最上位の庁内会議「県政経営会議」に掛けられた重要議題の議事録を作成していなかったことがこのほど、京都新聞の情報公開請求で分かった。県の政策形成過程を検証する上で重要な内容にもかかわらず、「自由な意見が言えなくなる」として、メモも録音も残していなかった。取材では、会議の概要を記した公文書の一部を紛失していたことも分かった。公文書管理条例の制定を目指す県が、ずさんな管理を行っていた実態が浮き彫りになった。

 京都新聞が2017年度の議事録を情報公開請求したところ、開示されたのは計42回の会議のうち19回分の「協議事項」に関する質疑の概要だけだった。

 会議で協議事項として取り扱われた議題は「政府への政策要望」「県国民健康保険運営方針」「議会提出条例案件」など。知事の決裁前に他の部局長の目も交えて最終的な確認をする意味合いが強い。開示文書からは、これらの案件をよりよい内容にするために出席者が知恵を出し合う様子の一端がうかがえた。

 一方「生煮えの議論が多い」(県関係者)という「論議事項」は、扱った21回の会議すべてで議事録が作成されていなかった。県企画調整課は「未成熟な議論が(議事録の公表で)県民に混乱を与える恐れもある」と説明するが、これには県庁内部からも「議事録の公開請求を受けた時に非公開とすればよく、議事録を作らない理由にはならない」との声が漏れる。

 議事録がないのは論議事項だけでなく、「その他」と分類された議題も同じだった。会議の議事次第によると、後に計画が白紙撤回された新生美術館整備や県有地からの退去を巡って提訴することになる県教育会館への対応などが「その他」議題に含まれていた。いずれも県議会から県の判断に疑問が呈されてきた案件だが、どのような意見が交わされたかは闇の中だ。

 さらに、県は概要を残してきた協議事項に関する文書のうち、17年5月23日と7月18日の2回分が「不存在」だと回答した。担当者は「どこにも見当たらず、当時の担当者に確認しても『分からない』とのことだった」と顔を伏せた。

 県は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える県民共有の知的資源」と位置づけ、適正管理を義務付ける条例案を近く県議会へ提出する。条例では、政策決定に至る経緯の記録も重要な歴史資料だとして、新設する公文書館で保存することを想定している。だが、職員の意識改革や監視の仕組みが不十分では、ルールが形骸化してしまう恐れがある。

【 2019年02月02日 18時15分 】

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