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京都市バス・地下鉄「値上げに頼らず増収策を」 有識者委答申

京都市交通局新経営計画答申のポイント
京都市交通局新経営計画答申のポイント

 2019年度から10年間を対象期間とした京都市バスと市営地下鉄の新経営計画の策定に向け、有識者委員会が市交通局に方向性について答申した。今後予想される厳しい経営環境を乗り越えながら、観光客の急増に伴う市バスの混雑といった課題をどう解決するのか。答申は、今後の少子高齢化の進展を見据え、増収対策に重点を置いた経営基盤の確保と、民間交通事業者との連携による利便性維持の必要性を強調した。

 市バス事業は、一部民間事業者が19年度末までに運行受託から撤退・縮小するため、同年度から10年間の経常赤字が単純合計で100億円を超える見通し。このため答申は、増収に注力するべきと指摘したうえで、安易な運賃改定に頼らないよう注文した。昨春に600円に値上げした1日券の再値上げなど乗車券の料金や制度の点検も求めた。

 また、民間事業者との連携を深化させることの重要性も示した。受託の撤退・縮小の要因となった運転手不足が今後加速するためで、市バスと民間バス、地下鉄などを一つのネットワークとみなして中長期的な路線のあり方を検討する必要性にも言及した。観光客の急増に伴って一部路線で車内が混雑しているため、新経営計画の前半5年間で緩和策に力点を置くよう要請した。

 市営地下鉄は、18年度に経営健全化団体から脱却したとはいえ、多額の有利子負債残高を抱えていることから「全国一厳しい経営状況」と指摘した。混雑する市バスから乗客を誘導し、増客に努めることで運賃アップを避けるとともに、全駅に可動式ホーム柵を設置することなど安全対策の強化を訴えた。

 市バスと市営地下鉄の両事業は厳しい赤字運営が続き、09年度に経営健全化団体に転落した。脱却に向けた計画を策定し、対策を実行した結果、市バスは12年度、市営地下鉄は18年度にそれぞれ同団体を脱却した。新経営計画は、両事業を一体とした後継計画で、市交通局が昨年度に内容について諮問していた。

 市交通局の山本耕治局長に答申書を提出した委員長の塚口博司立命館大特任教授は「バスと地下鉄を組み合わせて経営を安定させてほしい」と述べた。市交通局は2月市議会での議論も踏まえ、本年度中に新経営計画を策定する方針。

【 2019年02月04日 16時17分 】

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