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リサイクル土砂、産廃?適法? 警察と市が異例の見解対立

「産廃」を巡る意見の隔たり
「産廃」を巡る意見の隔たり

 リサイクルされた土砂にわずかでも異物が残っていれば「産業廃棄物」になるのか-。産廃を住宅造成地に不法投棄したとして、京都市伏見区に本店を置く産廃処理会社「HIRAYAMA」の平山英拡社長(46)が先月、廃棄物処理法違反容疑で京都府警に逮捕された。府警は「土砂にがれきや木くずなど異物が少しでも混在していれば産廃」と判断したが、社長は一貫して容疑を否認。京都地検は今月、社長を不起訴(嫌疑不十分)とした。事件を巡っては、業者を監督する京都市が「適法に処理されたもので、産廃ではない」との見解を示し、行政と捜査機関の判断が対立する異例の展開をたどった。

 府警生活保安課などが社長を逮捕したのは先月19日。容疑は2016年9月~18年4月、京都市長から許可を得た品目以外のがれき、木くずなどと土砂の混合物を汚泥とともに固化処理し、滋賀県内の宅地造成地に約160トンを不法投棄した、とされるものだった。

 府警は、造成に使われた土砂の中にがれきや木くずなどの異物が微量でも含まれていれば、産廃に当たると判断。民間の検査機関による鑑定で異物が検出されたなどとして、社長の逮捕に踏み切った。

 しかし、市廃棄物指導課は「会社が汚泥とともに処理したのは、洗浄された『再生砂』。産廃ではない」と、府警と真逆の見解を示した。

 市によると、HIRAYAMAは13年2月、建設廃材などが積み上げられて丘陵化した、大岩街道沿いの通称「岡田山」(伏見区)のふもとに中間処理施設を整備。市から産廃処分業の許可を受け、岡田山や各地の工事現場から産廃を受け入れ、再生砂や改良土にリサイクルして販売しているという。

 市はこれまで、環境省の指針を踏まえ、会社の設備や処理工程を定期的にチェックしてきたという。土砂に対する異物の重量比が5%以下にとどまるかどうかを目安にしており、昨年3月に同社を抜き打ち検査した際も異物の重量比は3%で、鉛や水銀など有害物質も基準値内だったという。

 産廃に当たるかどうかは、都道府県や政令市の個別判断に委ねられている。市廃棄物指導課は「リサイクルする際に異物を100%取り除くことは不可能。基準を厳しくしすぎると、産廃処理事業自体が滞る」と説明。環境省廃棄物規制課は「厳密な基準があるわけではないが、リサイクル製品の中に異物が1%でも含まれてはいけないのかと問われれば、必ずしもそこまで求めるものではない」としている。

 逮捕から約1カ月後、京都地検は「犯罪事実を立証するに足りる十分な証拠の収集に至らなかった」として、平山社長を不起訴とした。

 平山社長は京都新聞の取材に「市の検査をクリアしており、産廃ではないのは明らか。リサイクル製品として評価を受け、販売実績もある。なぜ逮捕されたのか分からない」と話している。

 ■警察と行政、協調を

 京都大環境科学センターの平井康宏准教授(廃棄物工学)の話

 警察と行政が異なる判断を示していることに驚く。廃棄物か否かについては、環境省が(1)物の性状(2)排出状況(3)通常の取り扱い形態(4)取引価値の有無(5)占有者の意思-の5要件や行政処分の指針を示しており、これらを基にした総合的判断が求められる。ただ、実際に客観的な評価を行うことは難しく、今回のように警察と行政の判断が割れるような事態が起これば、業界全体に混乱を及ぼすことも懸念される。双方が連携を密にし、協調態勢をとることが望ましい。

【 2019年03月31日 11時21分 】

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