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工事凍結の大戸川ダム建設求める意向 滋賀県知事「治水に必要」

 国が本体工事を凍結している大戸川ダム(大津市)について、滋賀県の三日月大造知事は16日の定例記者会見で、「知事として大戸川ダムは必要であると考える。本体工事の早期整備を望む」と述べ、ダムの治水上の必要性を認め、国に建設の推進を求める意向を表明した。滋賀、京都を含む4府県が求めた「凍結」解除に向けて今後、下流府県に働き掛ける。県が独自に実施した勉強会の検証結果を踏まえて判断した。

 三日月知事は「全国各地で毎年のように豪雨が発生し、大きな災害への備えが指摘されている。県民の命は何より重い。実施時期を早期に検討するよう求める」と述べ、国に整備計画の変更手続きを急ぐよう求める考えも明らかにした。

 県が専門家を交えて設置した勉強会(座長・寳馨(たからかおる)京都大大学院教授)は3月、ダムが大戸川流域の水害被害を一定軽減させ、豪雨時の瀬田川洗堰(大津市)の全閉操作や制限放流の時間短縮につながる、との見解を示していた。

 三日月知事は「事業進捗や環境の変化を踏まえ、県に与える影響を科学的に検証した。一定の治水効果が期待できる」と、大戸川ダムの効果を強調した。

 大戸川ダムを巡っては、嘉田由紀子前知事が2008年12月、国の河川整備計画の策定に際し、山田啓二前京都府知事や大阪、三重両府県とともに「施策の優先順位が低い」として「凍結」を求めることで合意した。国は09年3月、計画にダム建設を盛り込んだ上で、河川改修の状況や影響を検証しながら「実施時期を検討する」としていた。

 ダムの必要性を主張してきた自民党は17年12月、県議会で4府県知事合意の撤回を求める決議を賛成多数で可決させた。

 県は知事合意から10年が経過し、桂川(京都市)や天ケ瀬ダム(宇治市)の再開発など下流の整備が進み、豪雨が続いていることを踏まえ、勉強会を設置。三日月知事は昨年5月、就任後初めて建設予定地を視察し、11月には集団移転を強いられた旧大鳥居地区の集落跡地を訪れていた。

 三日月知事はダム事業に否定的な嘉田前知事の後を継ぎ、「ダムだけに頼らない治水」を掲げてきた。会見では「ソフト、ハード両面で事前の備えや情報提供を含めた対策が必要だ。私の考えに変わりはない。今後もその考えをしっかり強化していく」と述べた。

【 2019年04月16日 12時14分 】

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