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触れにくいテーマ?新庁舎巡る論戦ほとんどなく 近江八幡市議選

耐震不足が指摘されている近江八幡市役所。1年前の市長選から一転し、市議選では新庁舎の在り方を巡る議論は低調だ(同市桜宮町)
耐震不足が指摘されている近江八幡市役所。1年前の市長選から一転し、市議選では新庁舎の在り方を巡る議論は低調だ(同市桜宮町)

 滋賀県近江八幡市議選(定数24、21日投開票)で、市政の最大課題の一つ、市役所新庁舎建設問題に関する論戦が低調だ。建設計画の是非が争点になった1年前の市長選で現職が敗れ、市議として同計画を推していた候補者たちにとっては「触れにくい」テーマだからだ。有権者が聞きたい新庁舎の建設場所や現庁舎の活用法などは、候補者の演説でほとんど聞かれない。

 今回立候補した現職13人のうち保守系の11人全員が、昨年4月の市長選では現職(前市長)を支援。結果はダブルスコアに近い差で前市長が敗れた。新市長となった小西理氏は公約通り、前市長と議会が約10年間進めてきた庁舎整備計画を破棄し、庁舎建設工事を解約した。

 老朽化した現庁舎の耐震不足は耐震診断で裏付けられており、小西市長は2023年度までに「コンパクトな庁舎」を完成させる意向だ。市議会は今後、建設場所や、現庁舎を活用するかどうかなどの判断を迫られ、関連予算案の議決という重責を担うことになる。

 しかし、ある現職候補は「いまだに新庁舎の場所さえ決まらないのは深刻だが、演説では庁舎問題や現市政への賛否に触れないようにしている」と言う。自身が正しいと考えた庁舎計画が覆され「民意がつかめない。地元の課題解決を訴えた方が票になる」。新人候補も「身近な子育てや福祉の充実に市民の関心は高い。複雑な庁舎問題に言及するのは得策ではない」とみて、選挙カーで子育て支援を訴えて回る。

 前市長が今回の市議選に立候補していることも、保守系の現職候補にとって状況を複雑にしているようだ。

 市長選後、現市長への対応などを巡って保守系会派は分裂し、この1年間で4会派に倍増した。街頭演説や選挙公報で「市庁舎早期建設」を掲げる前市長は、「保守系会派の思いを一つにまとめたい」と話す。しかし保守系候補たちは必ずしも一枚岩ではなく、小西市政へのスタンスにも差がみられる。選挙後の議論の行方は不透明だ。

 前回市議選で当選者の得票数は2790~822票。前市長は前回市長選で1万1647票を集めており、各選挙事務所の事務長は「今回ばかりは当確ラインが全く予測できない」と口をそろえる。ある現職は「相手が誰であれ票を奪い合うライバル。支持者を確実に固めたい」、別の新人は「庁舎以外にも教育や防災など大切なテーマはある。自分の思いをしっかり訴えたい」と語る。

【 2019年04月18日 13時54分 】

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  • 耐震不足が指摘されている近江八幡市役所。1年前の市長選から一転し、市議選では新庁舎の在り方を巡る議論は低調だ(同市桜宮町)
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