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大津市民センター再編が焦点 市議選、人口減へ議論不可避

市民センターの前で公約を訴える候補者(大津市内)
市民センターの前で公約を訴える候補者(大津市内)

 21日投開票の大津市議選(定数38)で、市が進める36カ所の市民センターの再編が焦点になっている。センター内の市役所支所機能の統廃合は住民の反発を受けて当面見送られたが、4月から職員数の段階的な縮小が始まった。行政機能をより「中心部」へ集約する流れが今後、人口減少に伴い全国で加速するとみられる中、大津市の有権者がどのような民意を議会に託すのか注目される。

 「市民センターは移動が困難な高齢者にとって必要な施設。支所や職員の削減には断固反対する」。ある新人候補は大津市役所前でマイクを握り、行政手続きなどに訪れた市民に訴えかけた。

 49人が立候補する今回の市議選では、地盤や党派、現職新人の別を問わず、多くの候補者が演説や公約でセンター再編問題に触れている。明確に反対を主張する候補のほか、市側の説明が不十分だと訴える候補も。ある現職候補は街頭で「市民の声が反映されていない」と市の進め方を批判し、「市民と丁寧に合意形成を図りながら議会でしっかり議論していく」と力を込めた。

 市は昨秋、全学区で住民意見交換会を開き、センターを再編する理由を説明した。参加者からは厳しい声が相次ぎ、その場のアンケートでは現状維持を望む人が7割を超えた。市は今年2月に再編のスケジュールを見直したものの、白紙撤回を求める人々との溝は埋まっていない。

 「平成の大合併」で進んだ行政機能の統廃合。今後は過疎地だけでなく都市部でも避けられないとみられている。地方圏の9割以上の市町村で人口が減るとされ、公共サービスを支える人手や税収の確保が難しくなるためだ。先んじて手を打つような大津市の姿勢を評価する市民がいる一方、サービス縮小が前提となることで、人口減少に歯止めをかける努力が薄れることを心配する市民も少なくない。

 同市平野学区の住民らでつくる「平野まちづくり協議会設立準備会」は3月下旬、越直美市長宛てに、センターの将来像についてより詳しい説明を求める要請書を提出した。事務局長の尾中克行さん(68)は「現状では賛成も反対もできない。市議選の争点になるのはいいこと。政争ではなく地域のための論争をしてほしい」と期待する。

 市民団体「支所・公民館を守る大津市民の会」の池端耕治代表は「そもそも市の再編方針を知らない人も多い。各候補者には再編への賛否を明確にするとともに、幅広い層の関心を喚起してもらいたい」と話す。

 ≪市民センターの再編≫ 

 大津市は2017年11月、運営コストの削減を主な理由に全36カ所の市民センターの支所機能を10カ所に集約する素案を発表。各種証明書発行や行政相談など市役所の「出張所」の役割を担う支所削減には住民の反発が強く、今年2月に案を修正した。新たな案では、全支所を24年度まで維持する一方、その間に職員数の半減や業務時間の短縮を進めてコストを年6億4800万円圧縮する。25年度以降については「状況を踏まえ検討する」としている。

【 2019年04月19日 15時24分 】

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