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京大が吉田寮明け渡し求め提訴「安全確保のため、やむなく」

築100年を超える京都大吉田寮の旧棟(京都市左京区)
築100年を超える京都大吉田寮の旧棟(京都市左京区)

 老朽化を理由に京都大が学生寮「吉田寮」旧棟(京都市左京区)からの寮生退去を求めている問題で、京大は26日、寮に住む20人を相手に旧棟の明け渡しを求めて京都地裁に提訴し、発表した。京大が学生を相手に民事訴訟に踏み切るのは初めてという。

 吉田寮は築100年を越え、耐震性に欠けるとされる。学生担当の川添信介理事・副学長は京大で会見し、「学生の安全確保のため、やむなく提訴に踏み切った。重い決断だった」と説明した。

 京大によると、1、3月の計2回、京大の申し立てを受けた京都地裁が占有移転禁止の仮処分を執行し、計約80人が旧棟を占有していると特定。このうち、大学独自に居住を確認した20人を今回相手取った。

 京大は2017年12月、吉田寮の新旧両棟からの全員退去を求める方針を発表した。地裁の仮処分などを経て京大は19年2月、一定条件下で新棟居住を認めると表明。寮自治会も、旧棟の維持管理を担うことなどを条件に5月末で退去すると歩み寄ったが、京大は旧棟の立ち入りは認められないと主張し平行線をたどっていた。川添理事は「危険な状態をこれ以上先延ばしにできない」と、提訴に踏み切った理由を説明した。

 吉田寮自治会は提訴を受け、「訴状が届いていないが、かねてから話し合いでの解決を求めてきたので残念だ」とコメントを発表。寮生の一人は「京大の執行部に、『自分たちの言うことを素直に聞く学生以外は認めない』という姿勢を感じた」と話した。

【 2019年04月26日 21時50分 】

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