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「音鳴り響く」「臭い気になる」 バイオマス発電所に苦情相次ぐ

2017年6月から稼働している「三恵福知山バイオマス発電所」(福地山市土師新町)
2017年6月から稼働している「三恵福知山バイオマス発電所」(福地山市土師新町)

 京都府福知山市土師新町のバイオマス発電所の周辺で、同施設から発生する稼働音や臭気を巡って住民から苦情が相次いでいる。夜間も響く低音に睡眠不足を訴える住民もいるが、発電所側は環境基準を満たしていると主張し、対立状態が続いている。

 同施設は、市内でレジャー施設などを展開する三恵観光(同市堀)が運営する「三恵福知山バイオマス発電所」。国内では珍しいパーム油を燃料とし、2017年6月に稼働。約2600世帯分の発電が可能で、電力会社に売電している。

 住民によると、空き地となっていた現在地に発電所が進出するに当たり、発電所側が地元向けの説明会を開き、生活環境への影響について「屋外騒音は50デシベル以下を目指す」などとしていた。

 しかし、稼働が始まると近隣の住宅街に「ボー」という低音が響き、油が焦げたような臭いが漂った。発電所から約150メートルの場所に自宅がある地元自治会副会長(67)は、「24時間音が鳴り響き、寝られない日々。もう耐えられない」と憤る。近くの主婦(37)も「臭いが気になって体調が優れない。小さな子どももおり、心配で窓も開けられない」と訴える。

 住民が行った調査では、発電所近くの民家前で60デシベルを超える稼働音を計測した。一方、発電所側はこれまでに煙突などの防音処理を実施。独自で行った音量検査で、府の環境基準(昼間65デシベル、夜間60デシベル)を下回ったとしている。「音量は以前より改善している。臭いは個人差の範囲」(三恵観光)と説明する。

 地元では4月上旬、発電所への対応を協議する集会を開き、近隣住民35人ほどが、発電所進出前と比べて悪化する生活環境への不満や問題点を確認した。4月下旬には、地元自治会として発電所側に、夜間の稼働停止やさらなる騒音対策を求める要望書を提出した。

 市生活環境課は、住民からの苦情を受けて、同社に稼働音や臭いの対策強化を促している。ただ、環境基準は下回っているため強制的な指導は難しいとの立場を示しつつも、「多数の住民が苦痛を受けている現状があり、引き続き同社に改善を要望していきたい」(同課)としている。

【 2019年05月01日 10時30分 】

ニュース写真

  • 2017年6月から稼働している「三恵福知山バイオマス発電所」(福地山市土師新町)
  • 早朝の住宅街で稼働音を計測する。目の前の発電所から響く低音は50デジベルに達した
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