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救急車要請も「夜風に当たれば」滋賀県警、聴取中に2人搬送

滋賀県警本部
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 今春の滋賀県議選(4月7日投開票)での選挙違反を巡り、県警が立候補者の60代男性と選対関係者だった60代女性を任意で事情聴取中、2人が体調不良で救急搬送されていたことが5日、関係者への取材で分かった。男性は6時間にわたってほぼ休憩なしで聴取され、女性は発熱などを訴えたが取り調べを続けられたという。滋賀県警による任意の事情聴取中に倒れて救急搬送された60代の男性が、4月8日の取り調べの様子を語った。

■睡眠2時間で聴取

 「水分補給をしたい」。事情聴取の1時間前から一滴の水も口にしていなかった男性は、取調官に何度も訴えた。しかし、取調官は応じず、署内の自販機で飲料を買えることも教えてくれなかった。

 事情聴取中、男性がいすに座ったまま足を組もうとすると「そんなことするな」と言われた。投開票日の翌日で、男性は睡眠時間2時間で聴取に臨んだという。調べが夜遅くまで続いたため「逃げも隠れもしないから、明日朝から調べたら良いのではないか」と申し出ても、聴取は続いた。

 午後11時過ぎ、男性は胸の痛みや動悸(どうき)を感じ、取調官に「救急車を呼んでほしい」と依頼。しかし、取調官は「夜風に当たれば」と話した。その後、男性はいすから崩れ落ちるように倒れた、という。

■「人権侵害の捜査、許されず」

 これらの捜査は適切だったのか。京都新聞の取材に対し、県警刑事企画課は、すべて「コメントできない」とした。

 選挙違反事件の任意捜査は取り調べが非常に厳しくなるという。日弁連の取調べの可視化本部事務局次長、遠山大輔弁護士(京都弁護士会)は「とにかく捜査対象者の心を折って自供を狙う。ある意味、取調官も職務に忠実だったわけだが、こうした人権侵害の捜査が許されるわけがない」と批判する。

 遠山弁護士は、鹿児島県警による選挙違反えん罪事件(志布志事件)などを挙げ、「警察は捜査対象者の体調を無視した取り調べを繰り返してきた。任意捜査も含め、すべての取り調べの録音、録画を義務付け、行き過ぎた捜査を防ぐしかない」と指摘する。

【 2019年06月06日 11時34分 】

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