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科学で冤罪を再検証「イノセンス運動」国際シンポ、京都で開催

冤罪事件の供述調書を分析した経験から「科学的な証拠に基づいた司法判断が重要」と語る稲葉教授(京都市北区・立命館大)
冤罪事件の供述調書を分析した経験から「科学的な証拠に基づいた司法判断が重要」と語る稲葉教授(京都市北区・立命館大)

 冤罪(えんざい)が強く疑われる事件について、専門家らが科学的証拠に基づいて事件を再検証する「イノセンス運動」を紹介する国際シンポジウムが15日午前10時から、京都市中京区の立命館大朱雀キャンパスで開かれる。裁判員制度で市民が刑事事件を裁く機会が身近になる中、主催者側は「科学的な視点から日本の刑事司法の課題について考えてほしい」と来場を呼び掛けている。

■科学鑑定で冤罪被害を救済

 企画したのは、3年前に京都の弁護士や研究者らが立ち上げた「えん罪救済センター」(事務局・立命館大人間科学研究所)。同センターは科学鑑定などを駆使して冤罪被害の救済を目指している。

 DNA型鑑定などで冤罪を晴らす支援を無償で行う米国発の「イノセンス・プロジェクト」を参考にしており、センターはその日本版との位置付けだ。これまでに全国から200件を超える相談が寄せられ、一部の事件は再審に向けた本格的な調査を続けている。

 代表の同大学政策科学部の稲葉光行教授(情報学)は、コンピューターを用いた人間の言葉の分析が専門。鹿児島県議選での選挙違反冤罪事件(志布志事件)で、無罪の元被告が起こした国家賠償請求訴訟で、供述調書の分析に携わった。密室での長時間の取り調べで得られた「自白調書」が証拠採用される現状や、誤りを認めない捜査機関の姿勢に衝撃を受け、「科学的で客観的な証拠に基づく判断がなければ冤罪は生まれる。同じ過ちを繰り返さないために原因を究明しなければ、社会の健全な発展はない」と指摘する。

 シンポでは、タイと台湾で冤罪救済活動に携わる検察官と大臣が、取り組みを報告する。第2部は、DNA型鑑定をテーマに、冤罪事件を含む多くの事件で科学鑑定の経験がある大学教授らが登壇。第3部では、茨城県で男性が殺害された布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さんらが、自身の経験を踏まえて刑事司法の課題を語る。

 申し込み不要、入場無料。問い合わせはえん罪救済センター携帯電話090(2101)0931。

【 2019年06月13日 16時10分 】

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