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補修追いつかず、屋根にブルーシート今も 大阪北部地震から1年

自宅(左)のブルーシートを見つめる男性。向かいの家もブルーシートが掛けられたままになっている=京都府八幡市八幡
自宅(左)のブルーシートを見つめる男性。向かいの家もブルーシートが掛けられたままになっている=京都府八幡市八幡

 京都府八幡市を中心に京都府内でも屋根瓦などに大きな被害が出た大阪府北部地震から、18日で1年。住民は一日も早い補修を望むが、業者の手が回らず、いまだに工事が始まっていない住宅もある。昨年9月の台風21号で被災した家も、地震の影響で工事が遅れている。ブルーシートが掛かったままの建物が今も目に付くまちは、地震から2度目の梅雨を迎えようとしている。

 「ブルーシートの下には瓦が転がっているけど、どうしようもない」。八幡市八幡の男性(60)は、シートが掛かったままの屋根をあきらめ顔で見上げる。男性宅は地震で屋根の棟が壊れ、瓦が落ちた。補修工事は今も始まっていない。

 昨年7月にリフォーム会社に連絡して見積もりを取ったが、その後の連絡はなかった。しびれを切らして今月電話をすると、「瓦業者の都合で工事は秋以降になる」との返事だった。

 地震後に相次いだ台風でシートがめくれるたび、自分で屋根に上がって張り直した。自宅は交通量の多い道路に面し、「瓦が落ちて車や人に当たらないか怖い」との不安もある。業者からの連絡に備えて仕事はせず、貯金を取り崩して生活する日々。「修理が終わったらアルバイトでも探したい。あと何軒待つのかだけでも分かればいいが…」とため息をつく。

 この地震では、震源に近い山城地域の家屋が大きな被害を受けた。家屋の罹災(りさい)証明書は、府内で最大の被害があった八幡市で5月末までに2274件(半壊5件を含む)を発行。城陽市で244件(6月17日現在)、宇治市でも129件(18年度末現在)に上った。八幡市は地震直後は休日も臨時の申請窓口を設けるなど対応に追われ、1年たった今月も申請があるという。

 地震からの復旧が進まないまま、昨年9月には台風21号が直撃。工事の遅れは台風の被災家屋にも及んでいる。同市橋本のパートの女性(60)宅は、台風21号で吹き飛んだ屋根のスレートの工事が今月に入ってようやく終わった。

 来てくれた工事業者は80代の男性だった。地震までは毎日は働いていなかったが、今は次から次へと現場へ向かう日々だと話していた。「次の地震や台風が来たらどうなるか、という不安が常にあった」と女性は振り返り、「まだ直っていない家も早く工事が進むといい」と願う。

 ただ、工事業者は苦しい内情を明かす。「井辻瓦」(京田辺市)の井辻龍二社長(74)によると、この1年で約100軒の屋根工事をしたが、その後の台風でさらに依頼が積み上がり、まだ150件ほど手つかずの依頼を抱えている。

 「職人を増やせればいいが、独り立ちできる職人を育てるには5~10年かかり、簡単ではない。依頼分を終えるまであと2年くらいかかるのでは」

 大阪府内からも依頼が殺到しているという「大畠瓦店」(同市)の大畠進代表(77)も「落ち着くのは来年以降になる」とみる。

■京都府内で塀撤去未対応校も

 大阪府北部地震では、崩れたブロック塀の下敷きになって高槻市の女児=当時(9)=が死亡し、全国の学校でブロック塀を撤去する動きが広がった。京都府内でも、児童らが通学する道路に面するなど危険度の高い塀から優先的に撤去されているが、未対応の箇所も残っている。

 京都市教育委員会は地震後、市立の小中高校と総合支援学学校の計198校にあるブロック塀について、現行法令に適合・不適合にかかわらず全て撤去する方針を決めた。5月末現在、89校で道路に面するなど緊急対応が必要な塀を取り除き、フェンスなどを設置した。今後も道路に面した塀から優先的に改修する考えで、対象の塀がある148校で2020年度中には作業を終える計画という。

 府教委も現行法令に不適合のブロック塀がある府立高校と特別支援学校36校のうち、1日現在で約2割の6校で全ての塀を撤去、改修した。本年度中には道路に面した塀を全て作業する方針で、「早急に対応し、危険を除去したい」(管理課)としている。

【 2019年06月18日 14時00分 】

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