出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

社説:【参院選】温暖化対策 今の政治課題と心得て

 地球温暖化を実感する昨今だ。

 先ごろも九州南部を中心に記録的大雨が断続的に降り、土砂崩れなど大きな被害を出した。

 ちょうど1年前は西日本豪雨だ。11府県に大雨特別警報が出され、広島や岡山、愛媛などで200人以上が亡くなっている。

 西日本豪雨の後は、猛烈な暑さに見舞われ、観測史上最高の気温を埼玉県で記録した。気象庁は臨時の検討会を開き、地球温暖化の影響と結論付けている。

 地球温暖化は、遠く南太平洋の島しょ国に水没の危機をもたらすのにとどまらない。私たちの生命や暮らしを脅かす、切迫した問題になっているのだ。

 災害多発の時代となり、防災・減災だけでなく、温暖化対策は待ったなしの政治課題である。

 しかし、政府の姿勢は心もとない。4年前の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」で、今世紀後半に温室効果ガスの実質ゼロをめざすことになったが、日本は議論をリードできず、存在感を示せなかった。

 2030年の温室ガス削減目標を13年比26%としたが、欧州連合(EU)に比べると見劣りする。協定採択を受けて「内閣の最重要課題」としたが、一方でブレーキをかけるような動きが見える。

 世界では廃止方向の石炭火力発電について、電力業界は新増設計画を進めている。環境省は抑制方針だが、最終判断する経済産業省は計画に前向きだ。

 温暖化対策の行方は、政治の動向にかかっていると言えよう。

 政府のエネルギー基本計画では、30年に向けた電源構成を石炭など化石燃料を56%、原子力発電20~22%、再生可能エネルギー22~24%などとしている。

 原発を「重要なベースロード電源」と位置づけるが、原発事故の巨大リスクや廃炉の巨額コストは避けて通れない問題だ。

 温暖化対策とエネルギー政策は関連して議論する必要があるが、参院選での関心は高くないようだ。将来を左右するだけでなく、いま直面する大事な課題ととらえ、各党の公約や主張に目を向けたい。

 特に原発については再稼働から即時停止まである。温暖化対策や再生エネ推進では、本気度やスピード感の違いを読み取りたい。

 人間が招いた温暖化だ。破局に至らぬよう、人知を集めた政治の力が求められる。

【 2019年07月06日 16時18分 】

京都新聞デジタル版のご案内

    地域の政治・社会ニュース

    全国の政治・社会ニュース