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共・立、反政権「受け皿」争う 自、公は票流出を懸念 参院選

著名候補を応援に招き、有権者と握手を交わす候補者(12日、京都市内)
著名候補を応援に招き、有権者と握手を交わす候補者(12日、京都市内)

 異例の街頭演説だった。参院選中盤の12日、京都市中京区の三条河原町交差点。再選を目指す共産党現職倉林明子の隣に、政治団体れいわ新選組代表の山本太郎が並んだ。倉林が「大激戦の京都。何としても勝ち抜かせて」と叫ぶと、山本も「京都で応援するのは倉林さんしかいない。絶対に失ってはいけない議員だ」と声を張り上げた。

 知名度が高い山本が訴えれば、比例票がれいわに流れるリスクは否めない。それでも倉林の票を上積みするために踏み切った。「無党派層への広がりが足りない。効果は間違いなくある」(共産府委幹部)。議席死守へ執念を燃やす。

 新人増原裕子で挑む立憲民主党も攻勢をかける。代表枝野幸男が公示後に2回駆け付け、「福山哲郎幹事長のお膝元、京都で押し上げてもらい、新しい時代を切り開こう」と街頭で気勢を上げた。14日は3回目となる京都入りの予定だ。

 今回は全国の1人区で野党が共闘する流れを受け、立民と共産は公示まで「敵は政権与党」と互いの批判を抑え気味だった。だが、序盤の報道各社の調査で自民党現職の西田昌司が抜け出す情勢に、2議席をめぐる争いの空気は一変した。

 10日、連合京都が中京区で開いた演説会。増原は「倉林さんの背中を追っている。抜き去りたい」と宣言。増原を支持する国民民主党府連会長の前原誠司も「京都の自共2大政党に風穴を開け、3極にしてきた。欺瞞(ぎまん)に満ちた安倍政権を倒す先頭に立つのは増原だ」と「非自民非共産層」への支持拡大を強調した。

 旧民主党勢力にとっては、5党7候補が乱立した6年前の参院選で失った議席の回復がかかる。2017年衆院選の比例票は立民19万票、国民前身の旧希望の党15万票で計34万票。15万票だった共産の倍あったが、4月の統一地方選で立民と国民が激突。共倒れが相次ぎ、しこりが残った。増原の日程が国民の地方議員に伝わらないなど尾を引いたが、「共産から議席奪還」で結束し始めた。

 対する共産は11日、府内全戸に配布を始めたビラで、自民、公明、立民が地方議会で手を結ぶ「オール与党」政治を批判。「京都で自民に対抗してきたのは共産だけ」と自共対決を強調し、政権批判票の受け皿を狙う。昨年の京都府知事選で共産の推薦を受け、京都市内では競り合いに持ち込んだ弁護士福山和人も街頭に立ち、流れの継承を訴えている。電話作戦でも、倉林と増原で迷う有権者につながれば「立民は自民の府政・市政を応援している」と呼びかけ始めた。

 優勢が伝えられる西田は票固めに躍起だ。

 「昨日、公明党の山口代表から推薦状をいただいた。勇気百倍です」。11日、舞鶴市の駅前で公明の比例候補と両手を挙げ、集まった公明支持者にアピールした。13年選挙でも公明の推薦を得たが、街頭で並ぶのは今回が初めて。「消費税増税は反対」という西田の持論も、公示後は鳴りを潜めた。「軽減税率導入を主導した公明への配慮もある」(西田選対)。

 だが公明支持者は「反共産」の意識が根強い。13年の投票日に京都新聞社が行った出口調査では、公明支持層の投票先は西田よりも、共産と競っていた民主候補が多かった。西田選対からは「今回も公明票の一部が立民に流れるかもしれない」との懸念が聞かれる。

 このほか、政治団体「オリーブの木」新人の三上隆と、政治団体「NHKから国民を守る党」新人の山田彰久が支持を訴える。

 三つどもえの参院選京都選挙区。安倍政権への評価とともに、政権との対峙(たいじ)者を選ぶ2議席目争いの色を強めて終盤になだれ込む。(敬称略)

【 2019年07月18日 11時12分 】

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  • 著名候補を応援に招き、有権者と握手を交わす候補者(12日、京都市内)
岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

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